奈良市の西大寺旧境内跡から出土した国内最古のイスラム陶器の破片 =3日午後、奈良市大安寺西の奈良市埋蔵文化財調査センター(竹川禎一郎撮影) 奈良時代末期(8世紀後半)の平城京に称徳天皇が建立した西大寺の旧境内(奈良市西大寺新田町)で、西アジアで生産されたとみられるイスラム陶器の破片が出土し、同市埋蔵文化財調査センターが3日、発表した。青緑釉(せいりょくゆう)大壺とみられる日用の容器で、国内最古の出土例。古代の海上交易路「海のシルクロード」によって運ばれたと考えられ、同センターは「奈良時代の国際的な文化交流を知るうえで一級の資料」としている。 イスラム陶器が平城京跡で見つかるのは初めて。外国使節を迎えた福岡市の鴻臚(こうろ)館跡などで出土した破片より約1世紀さかのぼる発見で、すでに海上交易路が奈良まで続いていたことを示すという。 住宅建設に伴い、現在の西大寺西側の旧境内約320平方メートルを