老舗の洋菓子製造販売フーケが事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことが4日、分かった。代理人の弁護士が明らかにした。負債総額は5億~6億円。年内にも神戸地裁に申請する見通し。神戸スイーツ人気拡大の裏側で、過当競争や円安に伴う原料高騰などにより、業界の経営環境は厳しさを増しているという。(中務庸子) 「オーバーストアの市場、売り上げ重視のデパート、小麦やバターの価格高騰などで、状況はどこも厳しい」。兵庫県洋菓子協会の比屋根毅会長(エーデルワイス会長)はそう話し、「生き残るには、市場の動向を見極め、素早く決断する力が必要」と強調した。 フーケは、阪神・淡路大震災で一部の店舗が閉鎖に追い込まれながら、百貨店などに積極的に出店。2001年のピーク時には、関西を中心に約20店舗を構えるまでになった。 しかし、06年が転機となる。神戸・三宮の旗艦店舗で新ブランドを設立。他社との違いを出すため、高級