ウランゲリ島に生息していた最後のケナガマンモス(イラスト)は、約4000年前に絶滅した。これまで、近親交配により有害な遺伝子変異が蓄積して数が減っていき、絶滅に至ったと考えられていたが、最新のDNA分析により、もっと複雑な物語が見えてきた。(ILLUSTRATION BY BETH ZAIKEN) 地球最後のケナガマンモス(Mammuthus primigenius)は、約4000年前までシベリアの沖、北極海のウランゲリ島に生息していた。ケナガマンモスは1万年ほど前の温暖化による海面上昇の際にこの島に取り残され、本土に生息していた仲間たちが絶滅した後も、東西の長さが150kmほどしかないこの小さな島で6000年間生き延びた。 科学者たちはウランゲリ島のマンモスが絶滅した原因を探っているが、まだ解明には至っていない。だがスウェーデン、ストックホルム大学の遺伝学者で、ナショナル ジオグラフィッ