海産物を捕食したり、漁網に大量にかかって廃棄処分が必要になったりするなど、ヒトデは漁業者にとって海の厄介者である。このヒトデを活用し、様々な商品を展開する企業が「ヒトデを科学する」というキャッチコピーを掲げる北海道環境バイオセクターだ。ヒトデが鳥避けや消臭洗剤といった製品に生まれ変わる理由とともに、環境問題の解決という次なる大きな挑戦を聞いた。 現在、世界には約2000種、日本近海には約300種のヒトデが生息しているといわれる。漁網にかかるヒトデの量は、北海道だけで年間約1万5000トン。ヒトデがホタテなどを捕食することによる漁業被害も深刻化している。また、漁具にかかった大量のヒトデの廃棄処分も、自治体や漁業者にとって大きな負担となっている。 とはいえ、ヒトデは人間に害をもたらすだけではない。漁業者を悩ませるヒトデも、やり方次第では“宝の山”となる可能性を秘めている。抗菌・滅菌作用や抗酸化