今回は前からちょっと書きたかったハングルのお話。 ハングルは朝鮮語や韓国語を表記するための表音文字です。朝鮮半島の歴代の国は長い間中国の属国として漢文、吏読など文字は漢字を使い続けて来ました。 1446年に李氏朝鮮第4代国王の世宗が「訓民正音」という名称でハングルを初めて公布しました。ハングルは漢字を読むことが出来ない庶民(世宗は「愚民」と評しましたが)のために造られた文字でした。全24文字と漢字よりも圧倒的に少ない文字数で、ひらがなの50音の半分以下という数は覚え易く、本来なら広まって然るべきだと思うのですが、詩歌などの文学作品で散見される以外は使用されることも無く、19世紀にはほぼ死文字化します。 李氏朝鮮はそもそもその成り立ちがすでに明の属国で、国号ですら明から賜ったものです(高麗を倒した李成桂が明に「和寧」「朝鮮」という国名を送り、明に「朝鮮」と決めてもらった)。そんな国が明の文字