企業を取り巻く変化に柔軟に対応する基幹系を構築するためには、要件定義の段階から従来とは異なるアプローチが必要である。それは「利用部門の声を基に要件定義をしない」ことだ。 経営統合やM&A、事業の大幅な転換などを予測するのは簡単ではない。かといって、今までのように利用部門の意見だけを聞いて要件定義をしていては、現状の業務効率化を優先するばかりで、変化に対応しづらい従来型の基幹系になってしまう。 柔軟な基幹系の構築に必要なのは、企業の進む方向性や提供すべきサービスなど、将来の基幹系に必要な要件をできるだけ盛り込むことだ。経営者や企画部門、取引先、顧客など様々な声を取り入れることで可能になる(図1)。特に、社外との接点がある基幹系では、顧客ニーズや市場動向を要件に取り入れることが必須である。 実際、物流大手の山九や、「LOWRYS FARM」「GLOBAL WORK」などカジュアル衣料を手がける