野田佳彦首相が政治生命を懸けると表明した社会保障・税一体改革関連法案は、民主、自民、公明3党などの賛成多数で衆院を通過した。だが、57人という多数の民主党議員が反対票を投じた。 民主党は事実上分裂したが、最重要法案に反対した分裂の張本人である小沢一郎元代表は、「党にとどまり再生に努める」と語った。これは筋が通らない。 社会保障の安定財源確保に消費税増税は避けられず、法案の衆院通過は評価したい。 問題は、衆院本会議で支持議員らとともに反対した小沢氏が当面、離党しないとし、首相がこれを容認するかのような態度を見せていることである。これで3党合意が持つのだろうか。 ≪筋通らぬ小沢氏の行動≫ 小沢氏は支持議員らから離党届を集め、新党結成も視野に造反に踏み切ったのではなかったか。 首相は26日の記者会見で、造反者らへの処分について、「輿石東幹事長と相談し、党のルールに従って厳正に対応する」と述べた。