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ブックマーク / geopoli.exblog.jp (10)

  • なぜ知識人は独裁者が好きなのか | 地政学を英国で学んだ

    新年あけましておめでとうございます。2018年もがんばって行きますのでブログともによろしくお願いします。 From Benito Mussolini to Hugo Chavez: Intellectuals and a Century of Political Hero Worship, by Paul Hollander 連続殺人で有罪となり収監された殺人犯は、実は自分の犯罪歴しか知らない女性たちから求婚されることが多い。この奇妙な現象が示しているのは、自己欺瞞が人間の行動の決定にどこまで深く染み込んでいるかという事実だ。 このような求婚をしてしまう女性というのは、「この殺人犯の心の奥底には人知れぬ善い面があり、自分だけがそれを表に引き出すことができる」と考えているとみられる。 よって彼女たちは、「自分は他の女性とは異なる<違いのわかる女>であり、連続殺人犯に対する一般女性の態度は退

    なぜ知識人は独裁者が好きなのか | 地政学を英国で学んだ
  • なぜ北朝鮮に文句を言わないのか | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は曇っておりまして、かなり涼しくなってます。 さて、久々にコメントを。 つい先日の話ですが、夏休みがもう終わろうという8月29日の早朝に、北朝鮮が津軽海峡上空を越えて弾道ミサイルを発射しました。 これによって全国瞬時警報システム(Jアラート)というシステムが作動し、主に東北を中心に携帯電話などから警告が鳴り響いたり、鉄道各社が運行を見合わせるなど、一時的に日各地で混乱が発生しました。 もちろんこのニュースを聞いて 「またミサイル発射実験か」 と感じたかたもいらっしゃるとは思いますが、今回が前回までと違ったのは、北朝鮮が予告なしに実験を行い、しかもJアラートが実際に鳴らされたという点です。 とりわけこのJアラートの作動は、それを聞いたほとんどの国民に対して「警戒すべきだ」という心理的なインパクトを与えたように思えます。 幸か不幸か、私の住んでいる地域ではJアラートは発動しなか

    なぜ北朝鮮に文句を言わないのか | 地政学を英国で学んだ
    nminoru
    nminoru 2017/09/02
  • ロシアの地政学:マッキンダーとドゥーギン | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はまたしてもよく晴れましたが、風が出て昨日に比べてかなり冷えました。 さて、お約束していたロシアの地政学についての興味深い論文の要約です。 記事そのものは去年の夏のフォーリン・ポリシー誌に掲載されたものですが、それ自体も一冊のの中のハイライトみたいですね。 === ロシアの「明白な天命」の意外な起源 BY チャールズ・クローバー メガネをかけてやや冷淡に見えるエドワード朝時代の学者ハルフォード・マッキンダー卿が、自らの研究が冷戦後のロシアで使われていることを知ったら極めて不快であろう。 マッキンダーは1904年に王立地理協会で発表した「歴史の地理的回転軸」というタイトルの講義を行ったことで最も知られている人物であるが、ここで彼は、ドイツではなくロシアが英国にとっての最大の敵であると論じたのだ。 これによって彼は「地政学」として知られるようになった華やかな理論を提唱したのであ

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  • ローマ帝国を崩壊させた「難民危機」 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から晴れました。そろそろ涼しすぎるくらいですね。 さて、昨日の放送(https://youtu.be/aWaIX4TwdmU)でも触れた、ローマの「難民危機」の話を扱った記事の要約です。 ==== ローマ帝国を死滅させた難民危機からわれわれは何を学べるのか By エリック・シグリアノ EU離脱を決めた英国からカレーの難民キャンプ、さらにはドナルド・トランプの想像上の国境の壁まで、難民や移民の流入に対する不安は最高潮に達している。 オバマ政権は先日2017年度に前年と比べて30%多い11万人の難民受け入れ計画があると発表して共和党から非難されたが、それでもカーター・レーガン時代にソ連圏やキューバから受け入れた数よりもはるかに少ないのだ。 政治家たちは「前例のない」移民の圧力について口ごもったり扇動したりしているが、実際は同じようなことが1640年前の欧州、つまりローマ帝国の

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  • ISISに「悪」というレッテル貼りはやめておけ | 地政学を英国で学んだ

    今日の目黒は朝から小雨が降っております。 さて、久しぶりに記事の要約を。オバマ政権の使っている言葉についての議論です。 === 「悪」というラベルづけの問題:ISISを「ガン」と呼んでしまうことのモラル・ハザード By マイケル・ボイル ●ISISによるアメリカのジャーナリスト、ジェームス・フォーリー氏の「首切り処刑」は、世界中からこの反乱グループとその恐ろしい手段に対する非難を巻き起こしているが、これは当然であろう。 ●ところがこれは同時に、911の連続テロの直後のパニック状態の中でアルカイダを示す際に使われた道徳判断を含んだ言葉を復活させることにもつながった。 ●ブッシュ前大統領が「テロとの戦争」を「悪を行う者」たちに対するキャンペーンであると表現したことは有名だが、奇妙なことに、オバマ大統領もISISのことを、中東に広がる「21世紀に存在してはいけないガン細胞」であると表現している。

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    nminoru
    nminoru 2014/08/27
  • 中国政府高官がダボス会議で問題発言 | 地政学を英国で学んだ

    今日の肥前は午前中晴れたのですが、昼すぎから小雨が降りました。気温はけっこう暖かかったような。 講演で九州まで来ているのですが、運良く名護屋城址を見学することができました。秀吉が朝鮮出兵した時の城跡なんですが、ここに陣取っていた武将たちがオールスターキャストでした。 さて、ダボス会議での安倍首相の「1914年前発言」が物議を醸しだしてから数日たったわけですが、色々とこの会議で面白い発言をしている中国政府の高官らしき人の内容が出てきましたので、その紹介を。 この記事の中でダボス会議に参加したブロジット記者は、あるクローズドのディナーの席で興味深い光景を目にしたと言っております。 もちろん会議は「チャタムハウス・ルール」が適用されておりますので、その発言者は誰なのかは書けないということですが、その発言内容は書けるということなのでそれを書く、とのことです。 そのディナーの席にゲストとして呼ばれて

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    nminoru
    nminoru 2014/01/30
  • ルトワックの動画の翻訳:その2 : 地政学を英国で学んだ

    それでは昨日のつづきです。 動画についてはこのエントリーを参照してください。 === (10:00) ●私は(イスラエルの)ハーレツ紙に(第四次中東戦争の行われている)1973年の10月23日あたりにインタビューされたことがあるのですが、この時に私は「イスラエル側は突然戦争が始まって驚いたけど、なんとか戦争に勝てた、なぜならバランス・オブ・パワーがイスラエル側にシフトしていたからです」と答えたことがあります。 ●もちろんいくらでも状況が悪くなる可能性はあったのですが、テクノロジーなどの変化はイスラエル側に有利になっていたからです。 ●このように答えたらさっそく大きな批判が出てきまして、たとえば私が犠牲者について何も触れていないということで色々と意見をいわれました。 ●しかしこの時の私の見解は、大量の戦車を使って何千人も犠牲者を出すような覚悟がないかぎり、戦争は行えないということです。 ●こ

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    nminoru
    nminoru 2013/04/14
  • ルトワックの動画の翻訳:その1 | 地政学を英国で学んだ

    発言の要約 ●時間がないのでみんなが知っている例を挙げて話ます。 ●日が行った「真珠湾攻撃」はご存知でしょう?テクノロジーも未発達の時代にあの広い太平洋を越えてハワイを見つけて、そこにいたアメリカの軍艦に攻撃をしかけたわけです。こりゃ大変ですよ。 ●ここで質問です。もしあなたが「愛国的」な日人で、自分の上司がカリフォルニアに上陸してワシントンD.C.まで軍事侵攻してアメリカ政府に講和を迫るようなアイディアをもっておらず、ただ単にアメリカを怒らせるだけの計画しか持っていないと知ったらどうします? ●ひとつは、爆弾のターゲットをすべてミスさせて真珠湾攻撃を失敗にして(日人は分厚い眼鏡をかけているド近眼ばかりだと思われてましたから)単なるジョークにするというのもありかもしれません。 ●ようするにここで得られる教訓は、戦略の世界では「常識」が通じないということです。 ●「常識」のレベルでは、

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    nminoru
    nminoru 2013/04/14
  • 地政学を英国で学んだ : 多文化主義はどのように失敗したのか

    ↑新刊:胎動する地政学↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。久しぶりに意見記事の要約です。 ==== 多文化主義はどのように失敗したのか by ケナン・マリク ●今年の7月7日でロンドンでの52人が死んだ連続テロ事件から六年がすぎた。 ●アメリカの9・11事件とロンドンでの7・7事件は基的に同じインパクトを両国の国民に与えたが、ひとつだけ違うのは、7・7事件のほうがイギリスの市民権を持つ人間たちによる犯行だったということだ。 ●イギリス当局側は、この「自国民の犯行」に頭を悩ませており、以前は過激なイスラム僧侶やモスクの影響を指摘していたが、最近は政府の多文化主義政策の失敗を指摘する分析が多くなっている。 ●ヨーロッパでは多文化主義の問題に関して政府要人からも批判的な声が上がり始めており、スウェーデンやオランダでも反移民政策を訴える政党が議席を伸ばしている。 ●英首相のキャ

  • 中東民主化危機でちょっと考えたこと | 地政学を英国で学んだ

    今日の甲州は、昼間はけっこう温かい感じでよかったのですが、夜に入ってから小雨になってます。 さて、裏のほうではすでに触れておりますが、久々に私が最近の中東民主化危機について感じたことを一つ。今さらながら、今回のエジプト危機と、ウォルトを訳した時に実感していたことが多少つながったと感じました。 すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、まず私が数年前に翻訳したウォルトの内容をここで。 ここで原著者のウォルトが論じていたテーマはズバリ「アメリカという国家のパワーをめぐる状況」なわけですが、特に後半の章で、彼は「他国はアメリカのパワーを制限&利用するために、こんな戦略を使ってますよ!」という説明をしているのです。 その中の一つが「イスラエルはアメリカに対してどのような浸透工作を行っているか」ということでありまして、それが後にミアシャイマーとの共著である「イスラエルロビー」につながっていった

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    nminoru
    nminoru 2011/02/18
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