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ブックマーク / www.anlyznews.com (10)

  • 日銀理論、つまりインフレの弊害を知っておく

    リフレーション政策の信奉者で“日銀理論”、つまりインフレ抑制を重視する論調を無闇に批判する傾向が強い人を良く見かける。 意外に“日銀理論”はシンプルな理論的な根拠があるのだが、それを調べてから批判していないようだ。批判者には大学教員も少なくないのだが、経済学が専門外で論敵の主張だと思うと、その背景まで頭が回らないようだ。 “日銀理論”の是非はともかくとして、宗教がかった批判をしていても始まらないので、その理屈を確認してみたい。 1. インフレ課税と異時点間の消費配分 単純なモデルを考えよう*1。1期に生産物Yを生産し、1期にC1、2期にC2の消費を行う人々がいる。貯蓄は通貨でのみ行え、2期に1期の残りの生産物と通貨を交換する*2。C1とC2の配分バランスが良いほうが効用水準が高いとする。 ここで税金tを取るか、同等のインフレ課税を取るかを考えよう。税金tは生産物Yから直接徴収するとする。イ

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    nminoru
    nminoru 2013/02/10
  • 日銀はマネーストックを制御可能なのか?

    中央大学経済学部教授の浅田統一郎氏が一般向けに「安倍新政権の金融政策の経済学的根拠について」と言う記事を書いている。安倍総裁がその論拠を明示した事は無いので、浅田主張が安倍氏を代弁するものかは分からないが、浅田主張は近年の金融政策における論調と乖離しているように思える。 浅田氏は「各国のインフレ率とマネーストックの成長率の間には統計的に密接な関係があり」「日銀はマネーストックの増加率を1980年代の5分の1の年率2%前後に抑えるようになり」「20年間にもわたるデフレ不況を定着させた」と主張する。しかし、日銀が直接制御できるのはマネタリーベースであってマネーストックではない事を思い出すと、日銀がマネーストックを抑えているのかは疑問が残る。 名目金利の非負制約から生じる流動性の罠になければ、マネタリーベースの増加はマネーストックを増加させるであろう事に異論は無い。しかし、ゼロ金利に到達した後の

    日銀はマネーストックを制御可能なのか?
    nminoru
    nminoru 2012/12/24
  • ある地方公務員のあるマクロ経済分析(途中)への誤解

    とある地方公務員の方が「財政政策という実務」と言うエントリーで、駒沢大学の飯田泰之氏のブログの内容を批判しているが、幾つか誤解があるようだ。 飯田氏は、近年の財政政策の効果低下の理由を探っており、社会保障を否定しているわけではない。財政政策と言うと土木工事しか無いのかよ!と思われるかも知れないが、社会保障は移転支出になりケインズ経済学でも政府投資にならない*1から、分析に向かないのだ。 1. 移転所得は乗数効果を呼ばない 教科書的なケインズ経済学だと世界はY = c(Y - t + r) + I + G,Y:国民所得, t:税金, r:移転所得, I:民間投資, G:政府投資みたいに理解されていて、1兆円の社会保障はtとrを1兆円増やして、Gは変化無しと考える。すると乗数効果が働く余地が無く、国民所得も増えない。変形するとY = (I + G)/(1 - c) - c(t - r)/(1

    ある地方公務員のあるマクロ経済分析(途中)への誤解
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    nminoru 2012/07/17
  • 消費税の軽減税率とラムゼイ課税

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    nminoru 2012/05/16
  • 関越道バス事故で分かること

    関越自動車道でツアーバスが防音壁に衝突し、乗客7人が死亡した事故だが、連日の報道はツアー会社やドライバーの素性、そして規制緩和の影響についてが多くなってきたようだ。しかし、ツアー会社の違法状態は問題ではあるが、規制緩和が事故を増やしているとは言えなさそうだ。 メディアとしては、最初にガードレールの施設工事の問題などを報じてしまったのでネタ切れ気味なのかも知れないが、質的な問題からは段々と離れていっている。 1. 規制緩和は関係ない 規制緩和後のバス事故の変化を確認したブログによると、2002年の改正道路運送法後に事業者数や輸送人員数が大幅に伸びている一方で、バスの事故件数や死傷者数は微減している。バックカメラの普及や安全運転の推進と言う要素をコントロールしたら増えているのかも知れないが、大勢に影響を与えているとは言えない。自動車はドライバーの健康状態などで偶発的に事故が起きる面もあり、不

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    nminoru 2012/05/10
  • ニュースの社会科学的な裏側: 一般意志2.0は世論調査にも劣る

    東浩紀氏の提唱している『一般意志2.0』は、ルソーの一般意思とは異なり意思決定メカニズムでは無く、「情報技術によってサポートされた、世論調査を遥かに超えた、細かい精度をもった民意の可視化システム」だそうだ(BLOGOS)。定義不可能な“民意”は論理的に可視化できない(もしくは“民意”から“正解”は導き出せない)わけだが、それを置いたとしても、世論調査をSNSデータのテキスト・マイニングが超える事は無い。 1. サンプリング・バイアスの問題 「分布の状態を調べる上でランダムサンプリングであることほど重要なことはねぇんだよ」と端的に指摘している人もいる(唐突に分布の話をしているように思えるが、東氏が『「一般意志2.0」のシステムで出てくるのは、どちらかというと、様々な意見がどのように分布しているかという一つの地図』と説明している)のだが、もう少し平易に補足してみよう。Twitter2chやニ

    ニュースの社会科学的な裏側: 一般意志2.0は世論調査にも劣る
  • Rが使えるフリをするための14の知識

    米国FDAで公認され、ハーバード大学やイェール大学の授業で利用されるようになり、世間での認知度が着実に上昇している統計用プログラミング環境のRだが、ユーザーなのか、ユーザーになりたいのか、ユーザーとして振舞いたいのか分からない人が増えてきた。 スノッブなユーザーとして振舞う場合は、Rの特性を語れる必要があるので、ユーザーになるよりもRへの知識や理解が必要で、実は難易度が高い行動である。それでもあえて意識の高いRユーザーとして振舞いたい人々のために、最低限求められる事のチェック・リストを用意してみた。 1. 参考文献や参考ページを押さえておく 一番大事な事だが、参考文献や参考ページを押さえておこう。公式サイトで配布されている、「R 入門」「R 言語定義」「R のデータ取り込み/出力」は持っておくべきだ。R-TipsやRjpWikiも参考になる。 2. 演算子や制御構文をマスターする 四則演算

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    nminoru 2012/02/04
  • 日銀総裁を批判する前に思い出すべきこと

    金融政策に関して日銀行を批判する人々が多数いる(関連記事:リフレ政策は当に下火になったのか?)。昨日も『【日の解き方】“ダメ”な日銀総裁を解任できる規定を!』と書かれていた。中央銀行の独立性自体を否定する挑発的な内容だ。日銀総裁を「国民にとってはいい迷惑」と断罪している。しかし日銀総裁の是非はともかく、その考え方が分析されてはいない。他の日銀批判の記事でも、日銀総裁の考え方を分析する事は無いようだ。 1. 日銀総裁は保守的で常識的 日銀行総裁白川方明氏の考え方はトンデモのように批判する人々もいるわけだが、実際は保守的な立場だ。ソロー・モデルやRBCの影響が強いものの、学術的な根拠を欠くわけではない。労働人口減少過程にある日では、労働者一人あたりの生産量が増えても、日経済全体の生産は落ち込む傾向がある(平田(2011)、林(2002))。これが期待成長率の低下をもたらし、低いイン

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    nminoru 2012/01/16
    民主党が拒否したインダケ論者は伊藤隆敏副総裁候補ね。 id:entry:15733396
  • Objective-Cの『遅さ』を計測したら、JavaやC++の5倍も遅かった

    なお、メモリ消費量はtopコマンドで測ったので、かなり大雑把な数字だ。また、Cで同様の処理のコードを書くと、ほぼC++と同じ速度になる。 追記(2011/02/17 8:50):Rubyによるベンチマークを追加。 追記(2011/02/17 11:00):Smalltalkによるベンチマークを追加。ソースコードは「Smalltalkのtは小文字です」のループ回数を修正した。 追記(2011/02/17 16:00):Perlによるベンチマークを追加。 追記(2011/02/18 10:30):Java 1.6.0_22で実行した、Scalaによるベンチマークを追加。また、clang/llvmでC++とObjective Cの値を取り直し、改善が見られないのを確認。 追記(2011/02/18 14:30):Ruby 1.8.7によるベンチマークを追加。1.9.2との速度差については、@IT

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  • コンクリートを修復する細菌が開発される

    致命的な構造欠陥を引き起こすコンクリートの亀裂を修復する目的で、遺伝子改造された枯草菌(こそうきん)(Bacillus subtilis)が、英ニューカッスル大学で開発された。iGem主催の合成生物学のコンテストに応募された制作物で、BacillaFillaと命名されている(2010.igem.org)。 以下は修復過程の顕微鏡写真(io9)だが、ちょっとづつ埋まっているように見える。 BacillaFillaは、コンクリートの亀裂に深く侵攻し、炭酸カルシウム(CaCO3)とレバンスクラーゼ(levansucrase)の接着剤を生成し、細長いフィラメント状になる。炭酸カルシウムは、コンクリートと同じ割合になるため、理想的な充填材になるそうだ。フィラメント状のBacillaFillaは、繊維強化コンクリートの化繊と同じ伸張力があり、炭酸カルシウムを強化する。レバンスクラーゼは炭酸カルシウムと

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    nminoru 2010/11/18
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