■概要 日本政府においてもアジャイル開発への取り組みが始まりつつある。しかしながらアジャイル開発は、従来の開発アプローチとは機能、予算、スケジュールの管理方法が大きく異なる。そのため従来の管理方法のままではアジャイル開発の十分な効果が得られない。そこで、先行する米国の取り組みを通して、アジャイル開発を成功に導く予算管理やプロジェクト管理の方法を見てみたい。 近年、米国連邦政府は、米国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office:USPTO)の特許システム(注1)や連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation:FBI)の事件管理システム(注2)などの大規模で複雑なシステム開発において、予算オーバーやスケジュール遅延が原因でシステム開発を中止している。これらの問題に対して、米国特許商標庁では“PE2E-SE(注3)