動物の脳は、恐ろしく省エネルギーかつ高性能な超並列コンピュータである。この脳の仕組みを参考に、これまでのアーキテクチャとは根本的に異なるコンピュータを開発する試みが、米国、欧州、そして日本で始まっている。 記憶装置にデータとプログラムを内蔵し、入出力バスでつながれた演算装置でプログラムを実行する――1945年にジョン・フォン・ノイマンが報告書を公表した「ノイマン型アーキテクチャ(von Neumann architecture)」は、今に至るも半導体コンピュータの基本アーキテクチャだ。 米IBMも第2次世界大戦以降、パンチカード式コンピュータから、より柔軟にプログラミングできるノイマン型コンピュータへ移行。メインフレーム「System/360」、パーソナルコンピュータ「IBM PC」、RISCプロセッサ「IBM 801」を開発し、その後のハードウエア事業の屋台骨となった。 そのIBMが、ノ
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