震災時の亀裂がそのままで、雨が降ると壁から雨漏りが生じる箇所もある=5月30日、仙台市青葉区の東京エレクトロンホール宮城 音楽ホールでは宮城県内最大の客席数(1590席)を誇る東京エレクトロンホール宮城(仙台市青葉区)の大ホール。震災当日の3月11日は、定期演奏会を翌日に控えた陸上自衛隊東北方面隊音楽隊のブラスバンドが、リハーサル中だった。 音響・照明を手掛ける東北共立の小林俊哉さん(53)は、舞台南側の袖にいた。「天井から200キロもある防火シャッターの重りが、幾つも降ってきた」と、小林さんは発生直後を振り返る。 <倒壊の危険回避> 音楽隊のメンバー約50人は、ステージから客席に逃げて無事だった。会議室を使用していた2団体の計数十人も、直ちに館外に避難。けが人はいなかった。 震災での被害を受け、所有者の宮城県は、施設の年内の使用停止を決めている。建物に倒壊の危険性はないものの、壁に