アスファルトに横たわる、ホンドギツネの死がい。 ついさっきまで、いのちの宿っていた体は、まだやわらかかった 頭から車にぶつかったようで、口から血を流していた 10月30日、アスファルトの上から、土の上にうつしたキツネの死がい 3日後、さっそくハエたちが飛んできた、卵をうみつけているのだ 2週間後、キツネの体が少しふくらんできた 2週間と3日がたった、雨の日。 ウジが毛皮をくいやぶって、キツネの死がいからあふれだした キツネの体は、バラバラになり、骨がみえるようになった 半年後、雪どけのころにもういちどようすを見にいった。 キツネの体は、土にかえろうとしていた 動物写真家の宮崎学の本「死を食べる」より、仏教画の九相図を思わせる車に轢かれて死亡したキツネの定点写真。 「死を食べる」は偕成社の「Animals' Eys」シリーズの一冊で、「動物の目で環境を見る」とテーマに子供向けに写真を多用した
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