新緑に覆われた本島北部のやんばるの森=国頭村大国林道 奄美大島、徳之島、沖縄本島北部、西表島の世界自然遺産登録について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)は4日未明、「登録延期」を勧告した。今夏に登録される可能性が低くなったことで、登録を推奨する勧告を想定していた国、県、地元町村に動揺が広がった。米軍北部訓練場跡地の自然遺産候補地への統合など、多くの課題が改めて浮き彫りになった。 「奄美・琉球」の世界自然遺産登録に向けた環境保全を巡り、体制づくりの遅さはかねてから指摘されていた。しかし政府や県、地元町村も課題に正面から向き合わないまま、登録に期待をかけてきた印象は否めない。北部地域では、国立公園化や世界自然遺産登録の動きは「ヘリパッド(ヘリコプター発着場)の完成が、国立公園組み込みへの条件だ」(自民党関係者)と言われ、政治色も強かった。 政府は20