好戦的な戦狼外交官が日本で進める“工作”の実態。/文・安田峰俊(ルポライター)、薛剣(中国総領事) 「台湾独立=戦争」「チベットの農奴主」近年の中国を象徴する「戦狼せんろう外交」をご存知だろうか。中国の外交官が挑発的・攻撃的な言動を繰り返す現象のことで、米中対立の激化とともに顕在化した。「中華民族の偉大なる復興」を掲げる習近平のもと、外交官たちは政権に忖度し、ことさら教条主義的な姿勢を示すようになった。 習近平国家主席 戦狼外交は、中国発のコロナ禍が全世界に広がり、新疆しんきょうウイグル自治区や香港の人権問題に国際的な非難が強まった2020年から加速。同年3月には中国外交部の趙立堅ヂャオリージェン報道官が、新型コロナの起源は米国にあると主張して米高官を激怒させた。 他にも外交部次官補の華春瑩ホアチュンイン、前駐英大使の劉暁明リュウシャオミンらが「戦狼」として知られる。そして最近、ついに日本
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