<北海道教育大の袁克勤(えん・こくきん)教授は2年前の2019年5月、帰省先の中国吉林省で長春市国家安全局に突然拘束され、その後2020年3月まで全く消息不明だった。現在は詳細不明のスパイ容疑をかけられているが、中国籍であるがゆえに日本政府も手が出せない。父を奪われた長男・成驥氏の慟哭と怒りの手記> 2019年5月29日、中国吉林省長春市内にある長春駅の近くで私の父、袁克勤は長春市国家安全局員によって突然身柄を拘束された。父はその4日前の5月25日に彼の母、つまり私の祖母の葬儀に参列するため中国へ一時帰国していた。突然の拘束は28日に無事に葬儀を終えて、日本へ帰国する途上での出来事だった。 葬儀の翌日29日に長春駅の駐車場に到着した父は、その場にいた私の母とともに、突如、国家安全局の男たちに囲まれて、頭から黒い袋を被せられ、その場で彼等の車に押し込まれて連行された。その後、父の身柄は長春市