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reviewに関するnsyeeのブックマーク (334)

  • patten | ele-king

    パテンには詐欺師の魅力がある。前作の目くらましのようなタイトル(『グラックジョーザックソウ』2011年)が誰にも確と発音されないまま堂々とシーンをわたっていたのもおもしろかったし、いまだに素性を明かさないまま「D」とだけ名乗っていることも、もはやちょっと愛すべきエピソードになりつつあると思う。〈ノー・ペイン・イン・ポップ〉から最初のアルバムをリリースしたのが2011年。彼の今作と昨年末のEPが〈ワープ〉から登場したことは、〈エディションズ・メゴ〉と〈メキシカン・サマー〉をまたぐOPNが同名門とサインしたインパクトに次いで、現〈ワープ〉のアブストラクトでアンビエントな方向性を明確にするものとなった。 必ずしもダンス・ミュージックを出自に持たない両者だが、ビート、プロダクション、参照する音楽性、言動、どこかしらインチキな感じがするのがパテンだというのが筆者の印象だ。キャラクターはある意味で対照

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  • Compilation Albums | ele-king

  • R.I.P. Lou Reed | ele-king

    彼の死によって失われたもの三田格 今年はルー・リードのニュースが続いた。 最初はのローリー・アンダースンがひそかにルー・リードが肝臓を取り替える手術(最初はそのように表現されていた)を行い、成功したことを伝えるものだった。その時はそうかと思っただけだった。続いて、ミュージシャンがミュージシャンの作品をレビューするthetalkhouse.comで、ルー・リードがカニエ・ウエストの『イーザス』を詳細に分析し、絶賛しているというものだった。その時もそうなのかと思っただけだった。 最後のニュースは手術が必ずしも成功ではなかったことを伝えるものだった。今度もそうかと思うしかなかった。最初に思い出したのは寺山修司のことだった。寺山が47歳で亡くなったのは医師の誤診であり、寺山は「治すことよりも創作の道を選んだ」という武勇伝は、その医師によって流されたデマだったということが死後20年も経過してから明

    R.I.P. Lou Reed | ele-king
  • Ambient Patrol | ele-king

    『テクノ・ディフィニティヴ』に続いて『アンビエント・ディフィニティヴ』を出さないかと言われた時は当に戸惑った。スタジオボイス誌に特集を持ちかけた行きがかりもあって、それをベースにしたカタログをつくるところまでは勢いで進められたものの、もともと専門家の意識があったわけではないし、単行化の過程でいかに手に入らない音源が多いか思い知らされたからである。どちらかというと違った考えを持った人が別なタイプのカタログを出してくれた方が気が楽になれると思っていたぐらいで、しかし、そういったことは起こらないどころか、僕の知る限り、体系の方法論だったり、構成の仕方に対する批評も批判も何も出てこなかった。もっといえば書評ひとつ出ないのになぜかやたらと売れてしまったし(渋谷のタワーブックスでは年間2位ですよ)。 これで『テクノ・ディフィニティヴ』までつくったら、ダメ押しになってしまうではないかと思ったもの

    Ambient Patrol | ele-king
  • Youth Code | ele-king

    どうやら昨年頃からその兆候が見えていた90'sリヴァイヴァルは完全にトレンドとなってしまったようだ。 ときに野生の鹿を轢きかけるなどして肝を冷やしながら極寒の東海岸をドリフトしている昨今のわたくしですが、先日、ブルース・コントロールのふたりの運転で移動しながら連中が車内でフロント242(Front 242)をかけていたので、何でこんなん聴いてんのよと訊ねたところ、ラス曰く、だって安いじゃん。とまっとうな回答が返ってきた後、でもEBMはいま結構流行ってんだよとのこと。確かにここ数週間ブルックリンを徘徊していたかぎりそれは充分に感じられた。たしかに昨今のUSインディー・シーンにおけるキーワードはインダストリアルというよりはボディ・ミュージックなのかもしれない(三田先生は流石です)。 コールド・ケイヴに代表されるミニマル・ウェーヴ・リヴァイヴァルはボディ・ミュージック・リヴァイヴァルに完全に移行

    Youth Code | ele-king
  • Ultramarine | ele-king

    ウルトラマリンなんていったい誰が覚えているんだっていうの。誰も覚えていないよ。これだけ消費が速い世界で15年ぶりに新作を出したからといって、誰も騒ぐまい。誰もね。あの弱っちい清水エスパルスが試合で信じがたい逆転勝利を果たした次の週だったから、気分が良かったのだ。レコード店の新譜コーナーに面出しされている「Ultramarine」の文字に驚き、何も考えずに買って、そしてそのままだった……、それから後味の悪いリーグ最終戦の日に、家で聴かれないまま放置されているこのレコードに気がついて……で、わりと頻繁に聴いている。 実は、僕はいまでも覚えている。1993年6月26日(27日だっけ?)、昼間の1時かそのぐらいだ。グラストンベリーの、心地良い初夏の風を浴びながら、NMEステージの芝生に寝っ転がって、ウルトラマリンの演奏を聴いていた。なかば微睡みながら聴いていたので、どんな音だったのかは思い出せない

    Ultramarine | ele-king
  • My Cat Is An Alien | ele-king

    2013年は6枚組が熱かった。枚数が増える傾向は非常階段や友川カズキによる10枚組み、メルツバウの11枚組みにカンニバル・コープスの12枚組み、アシッド・ハウスのトラックスボックスは16枚組みで、クイーンのロジャー・テイラーは数え方すらよくわからず、ハービー・ハンコックに至っては34枚組みまで膨らんだ。コニー・プランクの4枚組みなんて、だから、かわいい方でしたよね。そうしたなかで、もっともチャーミングな枚数といえたのが「6枚組み」だったことは間違いない。「6枚組み」がもっとも時代の空気を正確に反映していたのである。そう、東京事変は2枚減らすべきだったし、バジンスキーは1枚足らなかった! 年頭を飾ったのはフィンランドからスパンク(これはコンセプトがかなり複雑)、そして、3月のアイアン・メイデンはともかく、6月にはバート・バカラックとECM、さらにスタイル・カウンシルから秋にはカシーバーと続き

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  • Magic Mountain High | ele-king

  • くりーくん | ele-king

  • DARKSIDE | ele-king

    2013年、僕のiPodの再生数が多かったのは、The XXの『コエグジスト』、ロンドン・グラマーの『If You Wait』、ジェイムス・ブレイクの『オーヴァーグロウン』、そしてダークサイド『PSYCHIC』だった。こう並べてみると、いかにもBoilerroomを毎週チェックしている若者のようだけど、面白いのは、Boilerroomを見ている若者も、僕のようにさんざん遊び倒したシニア・クラバーも、いま当に信頼できるパーティを作るにはもういちど原点に帰って、それこそ友だちが集まって作るしかないだろうと思っていることだろう、それこそBoilerroomが映すパーティのように。 ダークサイドの中心であるニコラス・ジャーもThe XXやジェイムス・ブレイク同様に20代前半であり、90年代の踊りっぱなしの時代を知らない若い世代のひとりとして、いま、ダンス・ミュージックを作っている。彼らのような世

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  • Cate Le Bon | ele-king

    「ルー・リードが死に場所として選んだところはやはり都市であったと誤解をさせて欲しかった」という三田格さんの文章を読みながら、わたしが思い出していたのはニコのことである。人間、一定の年齢になると死に方を夢想する瞬間もある。わたしにとっての理想形はニコだ。 イビサ島で自転車でこけて死んだ。なんて、ごっつくていい。過去16年間、夏になると行っているのでイビサをチャリキで疾走する感じはよくわかる。あそこでこけて頭を打って死ぬなんて、実に清々しい。その最期だけで、ニコはわたしの永遠のヒロインである。 ************ ウェールズのニコ。と呼ばれるケイト・ル・ボンについては、例えば『ピッチフォーク』なんかは、両者の欠伸しながら歌っているような歌唱法の相似について、「生まれながらにして両者ともそういう歌い方をする」と書いている。それが皮肉にしろ何にしろ、ケイト・ル・ボンはニコに影響を受けている。

    Cate Le Bon | ele-king
  • Varius Artists | ele-king

  • Huerco S. | ele-king

  • 今年最高のライヴ体験 | ele-king

    @ DOMMUNELIVE PREMIUM "NEW TRACKS"「my bloody valentine - World Premium Live with 相対性理論」東京国際フォーラムホールA 黒田隆憲、小林祐介  取材・構成:橋元優歩 Dec 25,2013 UP 123 去る9月30日、東京国際フォーラムホールAにて行われたマイ・ブラッディ・ヴァレンタインの来日公演は、間違いなく年のベストに数えられるべきものだった。〈DOMMUNE〉全面プロデュースによる企画は、ケヴィン・シールズの要望に忠実に構築されたという独自のサウンドシステムと、それを十全に機能させることのできるホールを前提に、音響を浅田泰氏が監修、「配信は勿論無い!!!!!!!」(宇川直宏)というこだわりきった内容で大いに前評判も呼んだ、まさに「ワールドプレミアム・ライヴ」。入場時に耳栓を配るという冗談も洒落ていた

    今年最高のライヴ体験 | ele-king
  • Diana『Perpetual Surrender』:捨て曲無しのマスターピースDiana待望のデビュー・アルバム|NEWS -CULTURE-|.fatale|fatale.honeyee.com

  • Huerco S. - Colonial Patterns | Monchicon!

    黙々とモクモク 例えばEDMの大規模な野外レイヴ・パーティーで陽気に盛り上がっている人々の映像を観ると、あの中の何人かは絶対「そうじゃない人」が混じっているんじゃないかとついつい勘ぐってしまう。群集のど真ん中で尿意を催して焦ってる人もいれば、友達の付き合いで連れてこられて「来るんじゃなかった・・・」と激しく後悔している人も中にはいるはずだ。いや、ものすごく陽気に盛り上がっている人でさえも、実は養育費の問題で夫と喧嘩になったり、赤ちゃんが夜泣きして近所からクレームが来たり、もしくはつい先日離婚が成立したばかりだったりするのかもしれない。要はダンス・ミュージックだからといってみんながみんな一様にそんなに一斉に陽気に踊らなくてもいいんじゃないか、ということ。 EDMに対して個人的に抱くこうした「おいてけぼり感」については、デトロイトやニューヨークといったダンス・ミュージックの「メッカ」からかなり

  • Blogger

    Google のウェブログ公開ツールを使って、テキスト、写真、動画を共有できます。

  • “ボクの90年代” | ele-king

    を代表するロック・フォトグラファー、ご存知「クボケン」こと久保憲司氏の写真集が今週末ついにリリースとなる。初めて渡英してからの約20年分――80年代をスタートとし、90年代をメインに据えて、久保氏がフィルムに収めた膨大な記録からセレクト/収録。カジュアルながらもかなり厚みのある仕上がりになった。 「このすべての現場に立ち会った男に猛烈に嫉妬する」 というのは、ぼくらのライヴァル、田中宗一郎さんから書の帯にいただいたメッセージだ。過不足なく、この写真集がどういうものであるかを伝えてくれる。久保憲司は、とにかく“現場に立ち会った”男である。240ページ超にわたって収められたその点数、そして、ポストパンクからマッドチェスター、ブリット・ポップにアシッドハウス、グランジ、テクノ、ヒップホップ……と、UKを中心としながらもじつに広範なジャンルに及ぶアーティスト群像を眺めれば、必ずや当時の記憶と

    “ボクの90年代” | ele-king
  • Burial | ele-king

    僕は、来週発売の紙エレキングで、2103年とは、ダブステップやってりゃ格好良かった時代が当に過去のものとなって、いまやジュークやってりゃ褒められる時代でもなくなった、という旨のことを書いたのだけれど、ジュークは、2010年に世界がいっせいに聴いたときとは状況が違っていて当たり前で、DJラシャドとPRブーが評価されたのは、前者がUKのジャングルの接合による変化を見せて(あるいはヒップホップ的側面を強調して)、そして後者がドラムマシン使いの達人としての腕前のすごさをみせつけたから、要するに作品が良かったからであって、彼らがただシカゴ出身でジュークをやっているからという単純な理由によるものではない。この1年で、ジュークはその珍しさ、新奇さのみで評価されるものではないほど普及したのだ(品まつりやペイズリー・パークスが評価されたことも同様、要は作品が良かった)。そしてダブステップときたら……ペヴ

    Burial | ele-king
  • Katie Gately | ele-king

    総勢14名から成るフィールド・レコーディング・オーケストラ、シアトル・フォノグラファーズ・ユニオンに途中から参加したらしきケイティ・ゲイトリーによる初ソロ(from LA)。これがフォークにもインダストリアルにも聴こえる不思議な感触を放つサウンドで、OPNが切り開いた地平の深さを見せるというのか、USアンダーグラウンドがまだ未知数にあふれていることを実感させてくれる。どこから聴いても、誰のマネでもなく、戸惑うばかりの新感覚である。 アコースティック・インダストリアルとでもいうような彼女のサウンドは一体、どこから来たのだろう。ゼロ年代前半に地下で蠢いていたマルシア・バセットのノイズ感覚と、最近だとメデリン・マーキーのような透明度の高いドローン・サウンドが同居しているのも奇跡的に感じられるし、インダストリアル・サウンドに憎悪ではなく、美的センスが感じられるところも素晴らしい。もしかしてアンディ

    Katie Gately | ele-king