1950年に算出を始めた日経平均は20世紀前半の日本経済の胎動を映し出して来ました。証券市場関係者などは過去の経済事象や出来事と結び付けて、日経平均の値を頭に刻み込んでいます。日本経済と株式市場の歴史を日経平均の動きから振り返ります。 「スターリン・ソ連首相重態」のニュースが伝わったのは1953年3月4日。翌5日の日本経済新聞朝刊は傍受したモスクワ放送の内容をもとに「スターリン首相重態」と伝え、さらに「すでに死去説」「各国に異常な反響よぶ」と報じました。このニュースを受けて、東京株式市場は主力株や軍需関連株を中心に売り物が殺到、49年5月の東証再開後初めての本格的な株価大暴落に見舞われました。 この日の東京市場について日本経済新聞は「主力株たる東京海上は113円安、平和不動産57円安、新三菱重工63円安と半恐慌状態」と報じました。日経平均株価(当時は東証株価平均)は37円81銭安の34