夜の海で、付き合っている人と二人で花火をした。 コンビニで売っている花火セットとチャッカマンと懐中電灯を持って、車を降りると、砂浜の広がる、真っ黒な海が目の前に広がっていた。船は遠くのほうで星のように煌めいている。 ここは二人が、付き合う約束を交わした特別な海だった。 あれから色々あったけど、なんとか続いている。最初は物珍しさだった。ただ興味があっただけで、深入りするつもりなどなくて、飽きたら終わりにすればいいと思うだけが、なかなか抜け出せない状況へと落ち込んでいる。 私の心中も、飛沫をあげる黒い海はすべて知っているようだった。 恋愛は、相手への束縛なくして、繋ぎとめるのは難しいものかもしれない。 風でなかなか火の付かない花火の先端に苦労している彼の様子を見ていると、二人の時間を楽しく過ごすためにいつも努力している。単純に、いい人だなと思った。綺麗に枝分かれして輝く花火を二人で見つめながら