ハンセン病(らい病)は、長く差別と偏見に晒されてきた。ハンセン病は、らい菌が主に皮膚と末梢神経を侵す慢性の感染症であるが、現在では治療法が確立されている。日本では20世紀初頭から隔離政策がとられ、1996年に「らい予防法」が廃止されたのちも、差別や偏見は容易には消えない。 隔離政策は中国でも同様で、現在約600の隔離村がある。しかも、多くは日本とは比ぶべくもない劣悪な環境に置かれている。2003年、そのうちのひとつに、ひとりの日本人が住みついた。彼は、地元の大学生を巻き込んで、村の生活環境を改善する活動を始める。彼が立ち上げたNPO「JIA」(「家」の意)を取材した。 (ノンフィクションライター・三宅玲子/Yahoo!ニュース編集部)