ザンビア中部ヌドラで中国系企業が建設する新国際空港。土砂を運ぶ大型ダンプが土煙を巻き起こす=2021年5月29日午後2時37分、平野光芳撮影 「債務のわな」という言葉を聞いたことがあるだろうか。お金を借りた国が、貸手の国の影響下に置かれてしまう事態を指す。特に近年は中国が援助相手国を借金漬けにしているとの指摘もあり、債務を返済できない途上国も出始めている。その実態とは? アフリカ南部ザンビアに入った記者が、現地の状況をルポする。 中国の「一帯一路」戦略 土ぼこりが舞う中、未舗装のでこぼこ道を車で進むと、草原の中に巨大なガラス張りの建物が姿を現した。アフリカ南部ザンビアの首都ルサカから北に300キロの都市ヌドラ。建物は、中国系企業が建設を進める「コッパーベルト国際空港」だ。約15キロ東にある古い空港に置き換わる形で整備され、事業費は約4億ドル(約440億円)。建設現場のゲートには監視カメラが