水俣病の客観的評価法についての説明を聞く報告会の参加者ら=熊本県水俣市の水俣病情報センターで2022年12月16日午後5時2分、西貴晴撮影 環境省は16日、水俣病の客観的な識別手法を開発し、この手法を活用した住民健康調査の検討を始めると発表した。 ◇ 発表を受け、熊本県水俣市の被害者団体メンバーからは「検査手法に実効性があるのか」「住民健康調査をこれから検討するのは遅すぎる」など疑問や批判の声が相次いだ。 「水俣病被害市民の会」代表の山下善寛さん(82)は、健康調査の時期が具体的に示されなかったことを「遅すぎる」と批判した。市民の会など九つの被害者団体などでつくる「水俣病被害者・支援者連絡会」は11月、八代海沿岸の熊本、鹿児島両県計16市町村から住民10%を無作為抽出し、神経症状を調べるなど健康調査の試案を公表…