●Tyler Cowen, “The finite pool of worry”(Marginal Revolution, October 29, 2022)/【訳者による付記】タイラー・コーエン「コロナウイルスによって進歩派左翼は死んだ」(227thday氏による訳)もあわせて参照されたい。 限りある(非弾力的な)資源がここにも。 人が一度に抱え込める心配事の数には限りがあると説く心理学の理論の一つ(Weber, 2006)――Finite Pool of Worry(FPW)仮説――によると、人は複数のネガティブな出来事――不安や心配といったネガティブな感情を引き起こす出来事――に同時に向き合うのを避ける傾向にあると想定されるが、そのことを裏付けるかのように、 新型コロナに対する世間の懸念が高まるにつれて、気候変動問題から目を逸らす傾向が強まっているようである。そこで、本稿では、201
“すずめの戸締まり” 監督/脚本 : 新海誠 2022 オープニング・タイトルのところがまず良かった。 災いの出てくる「後ろ戸」を閉じて鍵を掛けたところでタイトル画面が出る。 閉めるという行為が映画のオープニングとなって物語を開くというのがおもしろい。 全国を旅して扉を閉めていく物語で、「戸締まり」には災厄を封じ込めるという意味があるのだけれど、では扉を開くこと何もかもが災いに結びつけて描かれているかというとそうではなく、自転車の鍵を開けたり、草太を助けるために常世への扉を開けたり、肯定的な意味合いで描かれているものもある。映画内に出てくる扉や鍵の細かな開け閉めをすべて拾い上げていくとかなりの量になりそうで、たとえば電車のドアやオープンカーのループ開閉、あるいは草太の視点から見た瞳のまばたきなど、観客が必ずしも意識しないだろうものも含めてきちんと考えて描写しているはずだ。 常世への扉は閉じ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く