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ブックマーク / kaseinoji.hatenablog.com (7)

  • アオアシのように「考えすぎ」でありたい - 未翻訳ブックレビュー

    技術は下手くそ。足は遅い。体も小さい。 でも、天性の視野の広さと、それに裏付けられた思考力、そして周りを巻き込む行動力がある。 サッカー漫画『アオアシ』の主人公はそんな設定のキャラクターだ。毎巻ほんとうに面白くて、最新の30巻も最高だった。単行が出るたびに、一時間ぐらいで読み終わるけれどその後で何周も読み返してしまう。 あちこちで言われている事だろうけれど、「プロになるための機関」であるクラブユースを舞台にしている事もあって、スポーツ漫画としての面白さだけでなく、ビジネスにも通じるような話がいっぱい出てくる。言語化による共有の重要性とか、プロの時間の価値とか。 アオアシ / alu.jp *時間の価値が違う、というパワーワード。なお、記事では出版社公認でコマ投稿ができる「アル(alu)」を使ってコマを引用します もっと言うと、思考力と行動力で未来を切り拓いてゆく姿って、実はスポーツより

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    o_secchan 2022/11/24
  • コロナ禍を「最後のパンデミック」にする - How to Prevent The Next Pandemic by Bill Gates - 未翻訳ブックレビュー

    新潮社「Foresight」での連載「未翻訳から読む世界」、更新されています。 www.fsight.jp ビル・ゲイツがCOVID-19に対する各国の対応を総括した上で「次のパンデミック」を防ぐために何が必要かを提唱する「How to Prevent The Next Pandemic」を紹介しています。 ゲイツは昨年に気候変動をテーマとした「How to Avoid a Climate Disaster」を上梓していますが、どちらかと言えば公衆衛生という書のテーマの方が慈善活動家・投資家としての彼の「職」に近く、長年取り組んできたテーマです(もちろん当の職はソフトウェア業ですが)。 書の刊行に合わせてゲイツはTEDでのスピーチを行なっています。ちなみに2015年にもゲイツは「The next outbreak? We’re not ready(次の伝染病? 我々は準備できて

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    o_secchan 2022/06/19
  • すぐに忘れてよいという特権 - What Strange Paradise - 未翻訳ブックレビュー

    新潮社「Foresight」での連載「未翻訳から読む世界」、第2回が更新されました。 有料記事なので、こっちのブログにはteaser・予告編・オマケ話みたいなものを書こうと思います。 今回取り上げたのは、オマル・エル=アッカドの小説第2作"What Strange Paradise"です。ギリシャの島に流れ着いたシリア出身の少年が主人公です。 難民危機をテーマにした作についてのインタビューで、エル=アッカドは「すぐに忘れてよいという特権(the privilege of instantaneous forgetting)」に抗うために自分は書いている、と語っています。 例えばアフガニスタンから逃れようとする人々のニュースを見た後、私たちはそれをすぐに忘れる事が許されています。エル=アッカドはそれを一種の「特権的立場」だと呼びます。 日々フィードされ更新されるニュースの過剰摂取は、私たち

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    o_secchan 2021/09/19
  • 【最近のマンガ話#1】「チ。地球の運動について第4集」または、ルールを守らせる側になる面倒くささ - 未翻訳ブックレビュー

    最近読んだいくつかのマンガについて語りたい事が溜まってきたので、ラフに連続記事にしてみようかなと思う。 まずは「チ。地球の運動について」の第4集。このマンガの主題については以下の記事で以前紹介したので省略する。 巻を重ねても相変わらず面白いのだけど、特にこの4巻を読んで、筋とあまり関係ないサイドストーリーの設定にものすごく感心した。 このマンガの「悪役」として、C教の教義に反する思想を取り締まる「異端審問官」という職が登場する。この4巻には、新人として初めて異端審問の職に就く2人の青年が登場する。 異端審問の仕事は、異端者に拷問を行うダーティーワークだ。彼らは、学生ノリが抜けない新卒社員のように、自分たちの仕事にいまいち自覚的になれないでいる。そんな彼らに、教会の有力者が演説を行なって、秩序と道徳を守る異端審問の仕事の重要性を説く。入社式でスピーチする社長のように。新人2人はその話に感銘

    【最近のマンガ話#1】「チ。地球の運動について第4集」または、ルールを守らせる側になる面倒くささ - 未翻訳ブックレビュー
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    o_secchan 2021/08/14
  • 2020年ベストマンガ - 「チ。ー地球の運動についてー第1集」by 魚豊 - 未翻訳ブックレビュー

    人生ゲームだとして、クソゲーをクリアするのと、よいゲームだがゲームオーバーになるのと、どちらに価値があるのだろうか。 15世紀のヨーロッパを舞台に、異端とされていた地動説を証明しようとした人々を描くマンガ「チ。ー地球の運動についてー」が、とんでもなく面白い。まとまった単行はまだ1巻しか出ていないのだけれど、「連載マンガの第1巻」として、こんなに完璧な作品は無いんじゃないか。構成の素晴らしさを確認したくて、もう何回も読み直してしまった。 あらすじとか 好奇心は罪だった 人生の「ラスボス」とは あらすじとか 1巻のあらすじを簡単に言うと、学業優秀・品行方正で周囲から将来を嘱望されて、「この世はバカばっかり」「世界、チョレ〜」「僕は生きるのが上手い」と思っている神童ラファウが、当時異端とされていた地動説の研究者に出会い、その理論に魅せられていくというもの。 異端信仰がバレれば拷問、続ければ火

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    o_secchan 2021/01/23
  • 大人になりずいぶん経つ - 小沢健二『So kakkoii 宇宙』 - 未翻訳ブックレビュー

    書評じゃない番外記事。発売から既に2ヶ月近く経ったのだけど、小沢健二のアルバム『So kakkoii 宇宙』についての感想。そして、神と宗教と宇宙と超越についての話。 目次 10年前の僕らは胸をいためてオザケンなんて聴いてた 犬→LIFE→宇宙という歴史修正主義 宗教とは? 「個人のごちゃごちゃしたもの」から離れて 10年前の僕らは胸をいためてオザケンなんて聴いてた まずは遠い昔の個人的な思い出話から。2000年代の初頭、当時大学生だった私は友人4人ぐらいと車で遠出をした。道中、何か音楽でもかけようという話になったが、まだスマホも普及していなかった当時の車内BGMの選択肢はCDかラジオぐらいで、そして友人の車内に唯一あったCDが小沢健二の『LIFE』だった。 注釈を加えておくと、その時点での小沢健二や「渋谷系」の音楽というのは、なんというか「ひと昔前の流行り」であった。ファッションと同じで

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    o_secchan 2020/01/06
  • 【さよなら人類】ホモ・サピエンスからホモ・デウスへ - Homo Deus by Yuval Noah Harari - 未翻訳ブックレビュー

    Homo Deus: A Brief History of Tomorrow 2016/10/31 初出 2018/09/09 日語版「ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来」発売につき更新 「あなたが望めば戦争は終わる」とジョン・レノンは言ったけれど、望まなくても戦争が終わり、望まないと死ねない時代が来るかもしれない。ただし万人にではない。 書「ホモ・デウス」は、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリによる未来予測である。以前にこのブログでも取り上げて↓日語版も2016年9月に遂に発売された世界的ベストセラー「サピエンス全史」(Sapiens)の続編にあたる。*1 目次 飢餓、疫病、戦争 知性と意識の分離 人間主義の終わり? 飢餓、疫病、戦争 過去数千年に渡り、人類の悩みランキングの上位には変動がなかった。飢餓、疫病、戦争がトップスリーである。 21世紀の現代もこれらの

    【さよなら人類】ホモ・サピエンスからホモ・デウスへ - Homo Deus by Yuval Noah Harari - 未翻訳ブックレビュー
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    o_secchan 2018/08/20
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