中公新書が1962年11月以来刊行され、2018年8月で2500冊を突破することになった。筆者は自分なりのこだわりをもって中公新書を蒐集し、(筆者自身が確認する限り)全点所有するに至った。そこで中公新書の蒐集という点から、2500点が刊行された中公新書の魅力について語ってみたい。 まず、なぜ蒐集対象として中公新書を選んだのか、その理由を簡単に述べよう。中公新書は岩波新書、講談社現代新書とともに新書御三家と呼ばれ、内容のバラエティが豊富で、学術と一般の架け橋として日本人の教養を支えてきた。そして中公新書は刊行から56年が経過し、既刊2500冊の中公新書はすべてリスト化され、探書がしやすい点も魅力的である。毎年刊行される目録も、品切れなどの確認のために欠かせないが、特に創刊50周年記念の際に書店にて配布された『中公新書総解説目録』は、増補版や改版の情報も完全に網羅しており、これから中公新書を蒐