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ブックマーク / yonosuke.net (31)

  • ハルワニさんの『愛・セックス・結婚の哲学』 (1) 関連図書(1) | 江口某の不如意研究室

    ラジャ・ハルワニさんの『愛・セックス・結婚の哲学』っていうのをみんなで翻訳して、なんとか出版(予定)までこぎつけました。けっこうがんばって訳したので、できれば買ってほしいのですが、ちょっとお高い値段がついてしまって(ページ数が多いのでしょうがない)、ぜひ買いなさいとも言えないのでせめて利用している図書館にリクエスト出して入れてもらってください。おねがいします。高いし訳者の印税なんてのはほとんどないので(翻訳とはそうしたもの)献もあんまりできません。すみません。 愛・セックス・結婚の哲学 このに関連しそうな国内のを紹介しておきたいと思います。 愛とラブソングの哲学 (光文社新書 1277) 源河亨さんの『愛とラブソングの哲学』。第1章「愛は感情なのか」、第2章「愛に理由はあるか」、第5章「愛に質はあるか」あたりがハルワニの第1章〜第4章あたりと似たテーマを扱っています。源河先生は非

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    o_secchan 2024/04/04
  • 翻訳ゲリラ:スタンフォード哲学事典「人権」(James Nickel) | 江口某の不如意研究室

    スタンフォード哲学事典の「人権」の項(James Nickel)のゲリラ訳です。訴えられたら責任は江口聡 eguchi.satoshi@gmail.com にあります。おねがいです、訴えないでください…… PDF → https://yonosuke.net/eguchi/wp-content/uploads/2024/03/sep-human-rights.pdf ソースは https://docs.google.com/document/d/1FnFc58iibtEXT5X_mHtmI9M_QP-_sH-1M1bFXTYPEMU/edit?usp=sharing にありますので、タイポ・誤訳その他自由に修正してください。適当に修正したもらったら適当に反映させます。 \RequirePackage{plautopatch} \documentclass[uplatex,dvipdfmx]

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    o_secchan 2024/03/25
  • 翻訳ゲリラ:キース・バージェス-ジャクソン「アンスコム」 | 江口某の不如意研究室

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    o_secchan 2024/02/26
  • ガブリエル・ブレア『射精責任』の解説にコメント (1) アメリカの憲法論むずかしいっすね | 江口某の不如意研究室

    キャッチーなタイトルのガブリエル・ブレアさんの『射精責任』ですが、内容的には「避妊しましょう、特にコンドームで避妊しましょう、妊娠を望んでいないのに避妊しないセックスは無責任です」という話で、まあごく普通の話で新しいアイディアは何も含んでいないと思います。性教育にはよいと思うので、学校やら会社やら喫茶店やら、そこらへんの人目に触れるところに置いといて読んでもらったらいいんじゃないでしょうか。 ちょっと検討してみたいのが社会学者の齋藤圭介さんによる解説で、これは著者紹介に加え、アメリカの中絶論争史と、日の避妊・中絶の現状、そして書の論点・争点の簡単な検討などが含まれていて、読みごたえがある立派なものです。立派だとは思うのですが、いつものように、気になる点をいくつか指摘しておきたい。 第2節[1]第2「章」になってるけどこれくらいの分量で「章」っておかしいと思うの「アメリカの中絶をめぐる歴

  • 2022年に読んだ本ベスト10 | 江口某の不如意研究室

    これよかったですね。現代的な左翼意識にあふれた左翼という感じで、ひさしぶりにこういうものを読みました。学問的にはちょっと一方的かもしれないけど、中高生大学初年次ぐらいにはぜひ読んでほしい。池上俊一『ヨーロッパ史入門』もとても勉強になりました。

  • 「ヘイトスピーチや悪口を分類しよう」のおまけ:定義は選言の形でもかまわんよ | 江口某の不如意研究室

    前のエントリ「ヘイトスピーチや悪口を分類しよう」の補足ですが、「ヘイトスピーチを分類しよう」ってんですが、んじゃそもそも「ヘイトスピーチ」の定義はどうなってるのか、と気になる人がいるかもしれません。それはとてもよいことです。Yong先生がそこらへんをどう扱っているかはとても参考になります。 このブログでは、前からいくつかのエントリで定義定義定義が大事です、みたいなことを主張しているわけですが、「ヘイトスピーチ」の定義自体がむずかしそうです。どうしたらいいのか。 Yong先生はまずこんなこと言います。 「ヘイトスピーチ」は、広い名称として、他人たちを、人種、国籍、宗教、ジェンダー、性的指向、その他なんらかのグループのメンバーであるという理由から他人を攻撃するスピーチだ。そしてそのグループに所属しているこことは道徳的には恣意的に区別する特徴である」 これは、だいたい辞書的な定義といってよいと思

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    o_secchan 2022/08/29
  • ヘイトスピーチや悪口を分類しよう | 江口某の不如意研究室

    言論の自由と悪口の関係については興味があって、昨日Yongという先生の「言論の自由はヘイトスピーチも含むか」っていう論文(Yong, C. (2011) “Does Freedom of Speech Include Hate Speech?,” Res publica , 17(4))読んでたんですが、ヘイトスピーチでありえるものを分類してて興味深かったです。 先生によれば、ヘイトスピーチと呼ばれるやつは最低四つぐらいのカテゴリに分けられて、「言論の自由」にもとづいた法的な対応なんかはそのカテゴリを意識して考えられるべきだそうです。 四つっていうのは (1) targeted vilification、(2) diffuse vilification、(3) organized political advocacy for exlusionary and/or eliminationis

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    o_secchan 2022/08/29
  • 倫理学の入門書 | 江口某の不如意研究室

    前にも書いたんですが、学生様に倫理学の入門書ガイドを出す必要があって作ってみました。あんまりよいがない…… ジェームズ・レイチェルズ『現実を見つめる道徳哲学』。お勧め。これ一冊で倫理学入門卒業も可。 しかし読みきるのはけっこう骨なので、同時に数冊読む必要があるかもしれない。柘植尚則『プレップ倫理学』。超初歩。レイチェルズ読む前に。児玉聡『功利主義入門』。倫理学がなんであるのかというのはこういうのの方がわかりやすいかもしれない。品川哲彦『倫理学入門』。よい入門だが、ちょっとクセがある。ジュリアン・バジーニ『ビッグクエスチョンズ・倫理』。まあ入門。『倫理学の道具箱』。事典みたいに読む。サンデル『これからの正義の話をしよう』。定番。エドモンズ『太った男を殺しますか?』。トロッコ問題に興味ある人に。ジョナサン・ハイト『しあわせ仮説』、『社会はなぜ左と右にわかれるのか』。倫理学というよりは道徳心理

  • 恋愛・結婚・セックスについて最低限読んでほしい本 | 江口某の不如意研究室

    麻生一枝 (2010) 『科学でわかる男と女の心と脳』,ソフトバンク.越智啓太 (2015) 『恋愛の科学:出会いと別れをめぐる心理学』,実務教育出版.金政祐司・相馬敏彦・谷口淳一 (2010) 『史上最強図解 よくわかる恋愛心理学』,ナツメ社.小林盾(編) (2019) 『変貌する恋愛結婚:データで読む平成』,新曜社.小谷野敦(編) (2003) 『恋愛論アンソロジー:ソクラテスから井上章一まで』,中央公論新社.小谷野敦(2012) 『日恋愛思想史:記紀万葉から現代まで』,中央公論社.谷奈穂 (2008) 『恋愛の社会学:「遊び」とロマンティック・ラブの変容』,青弓社.松井豊 (1993) 『恋ごころの科学』,サイエンス社.和田実 (2005) 『男と女の対人心理学』,北大路書房.トニー・クリンク (2005) 『確実に女をオトす法則』,大沢章子訳,主婦の友社.ロバート・スタンバー

  • バス先生の新刊が出たよ(5) セックスニュートラルな性犯罪対策法はあんまりよくないかもしれない | 江口某の不如意研究室

    SNSでの刑法による性犯罪対策の話題はまだ続いいて、こんどは「従来の法制度は男性によって云々」とかっていう話が話題になってますが、まあこのタイプの主張は実はそれはそれなりに聞くべきところがあるんですよね。 今紹介しているバス先生の新刊でも、バス先生は性暴力をめぐる法制度やそれに類似した制度について軽く触れています。専門じゃないからそんなにつっこんだ話はしてないですが、重要な指摘がある。 彼の勤務しているテキサス大にはストーカー防止の規定みたいなのがあるみたいですが、それによれば、ストーカー行為っていうのは「特定の人物に向けられた、通常人/合理的な人(reasonable person)に自他の安全に対する恐怖をもよおさせるような行為、あるいは大きな情動的苦痛を与える行為」とされてるらしい。 この通常人/合理的な人 reasonable personっていうのは英米の法律関係の議論ではずっと

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    o_secchan 2021/08/02
  • バス先生の新刊が出たよ(3) 女性のレイプ対策(事前と最中) | 江口某の不如意研究室

    性犯罪関連法の改正とかを巡る議論で、セックス同意年齢と並んで重要なのが、日の法律にある暴行・強迫要件というやつで、まあ現状では暴行や強迫によって抵抗を(いちじるしく)困難した、というのが「強制性交」とされるの必要になってるわけです。でも犯罪者に対して抵抗するというのはたいへんなことなので、そういう要件はもっと緩めるべきではないか、という議論があるっぽいです。むしろ同意があった(と少なくとも思った)ことの立証を容疑者の側に求めるべきではないか、というわけです。これはけっこう一理ある。イエスミーンズイエスってやつですね1。 バス先生の新しいは、第8章でこの件に関してかなり重要な情報を提供していると思います。 女性にとって望まないセックスをされるのは非常に困った事態なので、進化の過程でそれを防止し対抗する心理的メカニズムをいろいろ獲得している。 レイプに対する(男性が想像できないほど)非常に

  • バス先生の新刊が出たよ(2) 「認知の歪み」というか認知バイアスと性的情動の性差 | 江口某の不如意研究室

    男性のセックスや恋愛に関する「認知の歪み」みたいなのがネットの一部で話題になっていたのですが、バス先生は最終第9章の「ギャップに気をつける」で、認知や欲求の男女差をちゃんと意識することが、セクハラやレイプなどの不幸な性的なできごと(その多くは男性が加害者)を防止するために有効だっていってます。 バス先生は「認知の歪み」cognitive distortionではなく、認知バイアス cognitive bias という言葉を使うことが多いですね。進化は生殖と淘汰によってなされるわけで、セックスと生殖は密接に結びついているので、男女ともにそれぞれの繁殖成功度を高めるようなセックスに関する認知バイアスをもつことになり、男女は生殖での役割が大きく違うので、認知バイアスも男女で異なる。ある意味で男女は進化的に性的な軍拡競争をしている。まあここらへんは進化心理学なんかでは基的な前提ですね。 こうした

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    o_secchan 2021/07/28
  • セックス同意年齢の問題(6) ジュディス・レヴァイン先生の『青少年に有害!』 | 江口某の不如意研究室

    アメリカにジュディス・レヴァイン先生というフェミニストのジャーナリストの先生がいて、2002年『青少年に有害!』ってを書いて、アメリカではかなり話題になったみたいですね。日語訳もあります。それの第4章が「激情犯罪」(情熱の犯罪 crime of passion だと思う)という法定レイプと同意年齢の話にあてられています。 この章では21才のちょっといけてない青年と13才のけっこう賢い少女のカップルが家出して問題になって青年の方が法定レイプその他で懲役12〜24年の刑を受けることになった、っていうイケてないロミオとジュリエットみたいな話を中心に、アメリカでの法定レイプの問題がいろいろ議論されています。 法定レイプ/同意年齢制度は、未成年は特別な保護をうける権利があるという原則にもとづいている(あたりまえ)もともとは保護される対象は子供自身というよりは処女性(父親の財産)したがって、子供の

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    o_secchan 2021/07/20
  • セックス同意年齢の問題(1) Wertheimer先生の変な空想事例 | 江口某の不如意研究室

    なんかどっかの政党の委員会みたいなので議員が不適切な発言をしたとかでもりあがっていますね。性犯罪に関する各種法律を考えなおすにあたって、セックス(性交)同意年齢みたいなのを引き上げようという動きがあって、反対意見もある、みたいな感じですか。現在日では13才だけど、16才ぐらいにしようっていう案が出てるのかな? 同意年齢についてのあらましはWikipediaでも見てもらえばいいと思う。 同意に関してはセックスだけでなく医療や医学実験なんかでもいろいろ議論されているところで、法律的にも哲学的にもものすごくおもしろいところですね。私も軽いインチキ論文を書いたことがあります。 江口聡 (2016) 「「ノーはノー」から「イエスがイエス」へ : なぜ性的同意の哲学的分析が必要か」この論文で、医療における「インフォームドコンセント」と同じような考え方をするには、有効な同意には (1) 同意能力、(2

  • トロフィーワイフという(ふつうは)侮蔑語について | 江口某の不如意研究室

    なんか、ある学者先生が「セレブバイト」っていうすごい言葉を開発したのに対応して、どういうわけかその先生が言及していない「トロフィーワイフ」っていう言葉がバズってたみたいです1。「セレブバイト」もたいへんやばい感じですが、「トロフィーワイフ」も学者先生たちが使うにはどうなんだろう、という意味合いがあるんじゃないかと思っているので、私もしばらく観察していました。 トロフィーワイフっていう言葉はそんな古いものではないようですね。1970年代から、よく使われるようになったのは1980年代からかもしれません。 Wikipedia (en)だと”A trophy wife is a wife who is regarded as a status symbol for the husband. The term is often used in a derogatory or disparaging

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    o_secchan 2021/06/14
  • 性的モノ化とセクシー化 (5) 「セクシー化」の方が使いやすいのはなぜ? | 江口某の不如意研究室

    「性的モノ化/客体化/物象化」より「セクシー化」の方が議論に使いやすい、というか有用だってな意味のことを書いたんですが、私がなぜそう考えるのかちゃんと理由書いてませんでした。 「性的モノ化」が使いにくい概念であることは、このシリーズの(1)で書きました。 自発的なモノ化(たとえば、自撮り女神様、ポルノ出演等)は不正ではないアニメやイラストは誰もモノ化していない表現物が、男性を介して生身の女性のモノ化をひきおこすという因果関係を立証するのは困難とかそういう感じですね。 実在の女性 → 集団としての女性のイメージ → 作者の頭のなかに結実した像(ビルド) → 作品 → それを見る鑑賞者 → 鑑賞者の頭のなかの女性に対するイメージや偏見 → 実在女性の被害、不快 上のような図式で考えようとすると、いろいろ論点が多過ぎるように思います。 一方、フレドリクソン先生の心理学における「モノ化」や「セクシ

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    o_secchan 2021/02/16
  • 性的モノ化とセクシー化 (3) 女子の「セクシー化」の方が広い概念で使いやすいかもしれない | 江口某の不如意研究室

    こうしたなかで、アメリカ心理学会が2007年に「少女のセクシー化」が女性にもたらす悪影響についての心理学的研究の報告書を出すわけです。これはけっこうな分量(70頁ぐらい)と内容のものなんですわ。 Task Force on the Seuxalization of Girls (2007) The Sexualization of Girls APAは学術研究者に加え、臨床心理学者というかカウンセラーや精神科医なども含む巨大組織で、単に研究するだけでなく社会的な政策みたいなのにも心理学の立場からコミットするのが任務だと思ってるわけです。んで、公衆メンタル衛生みたいなもおにも積極的にとりくんで、政策提言みたいなのに近いこともしようとしている。 そこではひとのセクシー化っていうのは四つぐらいの下位区分がある。 (1). ひとの価値が、セックスアピールや性的なふるまいによって決定され、他の特質が

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    o_secchan 2021/02/15
  • トランスジェンダーについての基礎知識 | 江口某の不如意研究室

    めくってみているDavid C. Geary (2021) Male, Female: The Evolution of Human Sex Difference, 3rd ed.っていうのにトランスジェンダーの人々についての基礎知識があったので、Emacsのorg2blogってのでwordpressを書くテストをかねてメモあげてみます。 ジェンダーアイデンティティ = 自分のジェンダーについての当人の心理的感覚。99%以上は誕生時の性別に一致。トランスジェンダーの人は生まれつきの性別がジェンダーアイデンティティと合ってない人。(ただし男女以外の場合もある。ノンバイナリー、ジェンダー流動的、ジェンダークィアなど)。さまざまな文化で性別に典型的でないふるまいをする人々を記述する言葉がある。ジェンダー違和(gender dysphoria 性別違和)、異性として見られ受けいれられたいという強い

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    o_secchan 2021/02/08
  • セックス哲学史読書案内:エッチが大好きローマ人 | 江口某の不如意研究室

    当時のエッチな絵を見ながら、オウィディウス先生その他のエッチな文章を大きな文字で読みましょう、みたいな。まあ図書館にあったら眺めたらいいぐらいの。もうすこしまじめに読みたい人は下。

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    o_secchan 2019/10/07
  • MeToo本家の「はじまり」と「歴史とヴィジョン」を訳してみました | 江口某の不如意研究室

    MeToo運動が一部で話題になっていて、まあ話題になるべきだと思うのですが、その運動の創始者たちがどういうことを考えているのか日語で読めるものが少なかったので、おそらく元祖・家であるところの https://metoomvmt.orgの文章を訳してみました。著作権とかクリアしていませんが、運動の宣言文なのであんまり文句は出ないだろうと判断しています。もちろん私はなんのクレジットも主張しませんので、誰か手を加えてまずいところ修正するなりして彼女たちに送ってもらえれば、日語ページを作るときに役に立つかもしれませんし、立たないかもしれません。 まず創始者ダラナ・バーク先生による「そのはじまり」。力がある文章で正直感動しました。やはりかざりのない実感のこもった言葉には力があると思います。ぜひ読んでほしい。 https://metoomvmt.org/the-inception/ MeToo、

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    o_secchan 2018/12/14