この2人をそこまで過激な発言に駆り立てるものは何か。それは日本という国を愛する日本人としての焦りであり「日本の危機が迫っているから」だ。 ジャーナリスト 莫 邦富=文 中国語には「憤青」という言葉がある。「怒れる若者」という意味だ。インターネット時代になった今、意味は微妙に変わり、過激なことばかり言う人間(ネットでは発言者の年齢がわかりにくいため)を指すようになった。 大前研一氏と柳井正氏の対談集『この国を出よ』を読み、特に柳井氏の発言に対し、真っ先に浮かんだのがこの「憤青」という言葉だった。 今や飛ぶ鳥を落とす勢いのファーストリテイリングの会長兼社長を務める柳井氏である。成功企業のトップとなると、たいていは自らの地位や影響力を考えて、厳しい意見を言う場合も、上手に言葉を選んで婉曲に表現しがちだ。 しかし、柳井氏は違う。ストレートなうえ、言葉遣いも過激だ。たとえば、「ただ沈没を待つだけの