ユーロ危機は3つの段階に分けられる。最初の2段階は、公的部門と民間部門が過剰な債務を抱えたことに端を発した銀行危機と、それに続くユーロ圏加盟国の政府に対する信認の急速な失墜だった。これら2段階への対応は、少なくとも部分的には成功した。 課題は「失われた数十年」の回避 だが、まだ第3段階が残っている。それはユーロ圏における南北の構造的な不均衡の問題であり、これがユーロ危機における最も長期、かつ最も危険な要因だ。 好材料はある。まず、パニックに陥った投資家が安全資産への資金逃避を行うことにより、欧州が大不況に陥って欧州の銀行が崩壊するという不安はひとまず過ぎ去ったと思えることだ。同様に、欧州連合(EU)の政治的機能不全がユーロ圏加盟国の一部をデフォルト(債務不履行)に追い込み、欧州を深刻な混乱に陥れるとの懸念も今は後退しつつある。 欧州が深刻な不況を回避できるかどうかは、この2段階に的確に対処