ショウジョウバエの特定の遺伝子が壊れると幼虫が「暑がり」になり、寒さに強くなることを、京都大化学研究所の梅田真郷教授(生化学)らが突き止めた。この変異体をatsugariと名付け、27日付米科学誌サイエンスに発表した。温度に対する生物の反応の仕組み解明につながりそうだ。 梅田教授によると、通常の幼虫は22度前後を好むが、「暑がり」の好みは17.5度。35度以上での生存率は同程度だが、14度以下では暑がりが多く生き延びる。0度で24時間飼育しても半数、零下2度でも2割が生き残った。一方、代謝量を比べると、暑がりは通常のハエの2倍になっていた。 この遺伝子は、細胞膜にあるたんぱく質をつくる。ヒトでは、この遺伝子の異常が筋ジストロフィーに関係するが、温度に対しての働きはわかっていない。 ハエが暑がりになる理由について、「代謝がよくなってエネルギー消費量が増えるため、代謝を抑えようとして低温