通貨ユーロを救う戦いはまだ続いている。しかし、通貨同盟の真価を巡る知的な戦闘では、ユーロを擁護する側が弾丸を一発も撃たないうちに負けを認めてしまっている。ユーロにとっての真の悲劇は、親族から縁を切られてしまったことだと言えよう。 今では、通貨同盟を解体するのが最善の方策だという主張が実際的で良識のある考え方だと見なされている。 では、ユーロ擁護論者はこれにどう反論しているのだろうか? 彼らはまず、ユーロが破綻すれば欧州も破綻すると論じている。また、ユーロ解体を容認すればメリットよりもデメリットの方が大きくなる、とも主張している。 どちらもその通りであり、重要なポイントだ。しかし、ここまで来てしまったのだからユーロにしがみついていなければならない、ここで手を放せば、いろいろな災いが一気に降りかかってくるだろうという論法は、そもそもこの方向には進まない方がよかったと認めることに等しい。 「ユー