以前の記事で、「TeX 言語を学習するための資料」について紹介した。しかし、プログラミング言語というものは、ただ座学で資料を読んでいるだけではなかなか身につかないものであり、熟達には「実際にコードを書く」という作業が不可欠である。 「自分が必要なものを自分で実装して学習する」というアプローチは多くの場合に有効である。ところが、特に「LaTeX の機能拡張のために TeX 言語を学習している」という人の場合、実際に対処する要件はそれほど複雑なコーディングを必要としない場合がほとんどであり、それゆえ、TeX 言語の「高度な技術」は結局何時まで経っても習得できないという問題があるだろう。この問題を解決する有効な手段の一つとして「当該の言語で LISP 処理系を実装する」というアプローチが昔からよく知られている。*1 LISP 処理系の実装には十分慣れているが、TeX 言語については初心者だ、とい