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ブックマーク / blog.nishinos.com (18)

  • 本当は恐ろしい「〜」記号 : IT翻訳者Blog

    Yahoo Japanの「新型コロナワクチン情報まとめ」を見ていたら、次の画像があった。 アストラゼネカの行に「有効性 〜76%」とあり(赤枠)、私はここが気になってしまった。 (出典:https://news.yahoo.co.jp/pages/20210122、閲覧:2021-07-02) これを見た人は、普通は「最大で76%」と解釈するだろう。日語で「〜」は「数字の範囲」を示すのが一般的である。例えば共同通信社の『記者ハンドブック』でもその意味で使っている。範囲の右側だけに数字があるので「最大」という解釈になる。最大なのだから、有効性は10%かもしれないし60%かもしれない。 しかし日語の「〜」によく似た英語の「~」(チルダ)には別の意味がある。「約」や「およそ」である。この意味を掲載している辞書は実は少ないのだが、たとえばMerriam-Websterの「tilde」には2bに

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  • 新幹線の案内、英文テクニカルライティング的にはこう書く : IT翻訳者Blog

    先日、東海道新幹線に乗っていたら、各座席の前に案内が掲載されていた。開くとテーブルになる部分である。 英語の案内文を見ていると、自分なら英文テクニカルライティングの発想でこう書くのではないか、と感じる点がいくつかあった。そこで試しに書き直してみたい。 現状の英文が間違いだと言いたいのではなく、あくまでテクニカルライティング的な発想をしたらという一例である。 ◆ まず「SOS」というオレンジ色のアイコンの右側にある2つの英文である。 【1】In case of emergency, you can talk to the train crew via intercom beside the door. → In case of emergency, you can talk to the train crew via the intercom beside each door. ここは冠詞の

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  • CSS組版で書籍を出す : IT翻訳者Blog

    自社で出版事業をしており、今月「プログラミング英語」という書籍(電子+紙)を出した。 いま出版事業をやろうと思ったら紙版だけではビジネス的に厳しく、電子版も出す必要がある。紙版の場合、一般的に版面のレイアウトはページごとに実施する。ところが電子版では、ページというより、画面に合わせて文字数が変わる点(リフロー)を考慮しなければならない。 Kindleを買うと、よく「固定レイアウト」になっている書籍がある。あれは紙版を先に作ってページ単位でレイアウトしたため、リフロー対応していない(できていない)ということである。しない大きな理由の1つはコストで、ただでさえ売上が減りつつある書籍で、2度レイアウト費用を捻出するのは厳しいのかもしれない。 そこで紙版を作ってから電子化するのではなく、逆にまず電子版を作り、それを紙版にも対応させると考えたときに出てくるのが、「CSS組版」という方法である。

    CSS組版で書籍を出す : IT翻訳者Blog
  • 「リンギスト」を考える : IT翻訳者Blog

    海外の翻訳業界において「linguist」という職業名はよく見かける。翻訳作業に加え、対訳用語集管理や品質保証など、複数言語に関わるさまざまな仕事をする人を指す。現代の翻訳サービスにおいて欠かせない仕事をしている。しかし日において「リンギスト」という呼称はあまり聞かない。圧倒的に「翻訳者」が多い。 これを言うと関係者から嫌がられそうだが、翻訳業界はずっと「外国語を使う憧れの仕事・翻訳者」というイメージでビジネスをしてきた。翻訳者になるための講座や情報誌を用意し、厳しいトライアルに合格した人と「翻訳者」という肩書で取引契約をする。もちろん多くの職業にもそのような面はあるし、自分自身も乗っかっている部分はあるので、批判するわけではないが。 「翻訳者」には堅固なイメージがあるため、たとえば対訳用語管理のような仕事があったとしても、「自分は『翻訳者』だから翻訳しかしない」と避けたり、「『翻訳者』

    「リンギスト」を考える : IT翻訳者Blog
  • 最新の「Microsoft Writing Style Guide」が無料で公開 : IT翻訳者Blog

    つい最近知ったのですが、2018年2月にマイクロソフトが英語スタイルガイド「Microsoft Writing Style Guide」を無料公開していたようです。 Microsoft Writing Style Guide https://docs.microsoft.com/ja-jp/style-guide/welcome/ これまでIT分野の英語スタイルガイドとして重要な位置を占めてきた『Microsoft Manual of Style』の後継となるようです。 The Microsoft Writing Style Guide replaces the Microsoft Manual of Style, a respected source of editorial guidance for the tech community for more than 20 years.

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  • 個人でもトレーニングできそうなNMTシステム : IT翻訳者Blog

    マイクロソフトが提供する機械翻訳サービス「Microsoft Translator」が更新された。大きな改善の1つとして、ニューラルMTをカスタマイズできる機能が追加されている。 Customized neural machine translation with Microsoft Translator https://www.microsoft.com/en-us/research/blog/customized-neural-machine-translation-microsoft-translator/ 記事を読むと、マイクロソフトの汎用MTシステムに対し、ユーザーが対訳文を追加することで、システムをトレーニングしてカスタマイズできるようだ。自分の専門分野や社内文書でトレーニングすることで、その分野により適合した訳文が出力されるようになる。 ただし、最低でも2,000以上の対訳文

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  • ホフスタッター氏による機械翻訳考察 : IT翻訳者Blog

    『ゲーデル、エッシャー、バッハ』というで有名なダグラス・ホフスタッター氏が機械翻訳(Google翻訳)について批判的に考察した記事を書いています。 英語の長文なので誰にでもお勧めできるわけではないですが、簡単にまとめると、いまの機械翻訳はあくまでデータを機械処理をしているだけであって、人間がやるのと同等の「翻訳」ではないという点です。人間と同じ「翻訳」を実現するにはまだまだ時間がかかりそうだと述べています。 The Shallowness of Google Translate https://www.theatlantic.com/technology/archive/2018/01/the-shallowness-of-google-translate/551570/ (補足:文中で仏独中の対訳サンプル部分が出てきますが、そこは飛ばしても大丈夫です) ◆ 印象に残った部分をいくつか

    ホフスタッター氏による機械翻訳考察 : IT翻訳者Blog
  • 『誤訳ゼロトレーニング』とエラー評価の課題 : IT翻訳者Blog

    光藤京子・著(秀和システム)2016/12/24 ◆ ◆ ◆ 訳文の誤りを「エラーカテゴリー」で分類することで、翻訳能力向上を図る方法を示した書籍である。 各エラーカテゴリーにおける具体例が豊富で、翻訳を学ぶ学生にとって役立つだろうと感じた。エラーカテゴリーを利用する翻訳評価手法は一般的に「エラー評価」と呼ばれるが、それを具体例とともに解説した日語の一般書はないため、その点でも有用だろう。 同書のエラーカテゴリーは合計15個あり、大きく3種類に分けられている(p. 25-26)。 「正確に訳されているだろうか?」:「歪曲」や「情報の欠如・付加」など8個のカテゴリー 「分かりやすく訳されているだろうか?」:「違和感のある語彙選択」など4個のカテゴリー 「細かいところに気が配られているだろうか?」:「表記ミス」(スタイルガイド違反)など3個のカテゴリー これは業界で用いられているエラー評価分

    『誤訳ゼロトレーニング』とエラー評価の課題 : IT翻訳者Blog
  • 翻訳会社の機能とは : IT翻訳者Blog

    従来の実務翻訳では、クライアント、翻訳会社、在宅翻訳者という3者が関係することが普通だった。しかし最近精度が上がったと話題の無料機械翻訳(Google翻訳など)では翻訳会社も翻訳者も不要だし、拡大しつつあるクラウドソーシングでは翻訳会社を介さずクライアントと在宅翻訳者が直取引できる。 そうなると、改めて問われるのが翻訳会社の存在意義だろう。実際、翻訳会社が「中間搾取」していると感じる在宅翻訳者もいるようだ。確かに悪徳翻訳会社も存在するだろうが、翻訳会社自体には存在意義があるし、重要な機能を果たしている。 例えばプロ野球であるが(野球を例に挙げるのは”オッサン”の証拠だと指摘されたことがあるが……)、野球がうまい人が数十人集まっただけではプロ野球は成立しない。試合のスケジュールを立てたり、スタッフを確保したり、ファンクラブを運営したり、グッズを売ったり、テレビ放映したり、道具を整備したりと、

    翻訳会社の機能とは : IT翻訳者Blog
  • 翻訳者や翻訳会社は機械翻訳に駆逐されるか : IT翻訳者Blog

    最近Google翻訳の性能が上がり、翻訳の仕事が無くなるのではないかと危惧している翻訳者や翻訳会社も多いようだ。 しかし、それは「翻訳」を狭く考えすぎなのではないかと思う。 機械翻訳の目的は「入力文fを自然な出力文eへと変換すること」(『機械翻訳』2014年、コロナ社、p. 62)とされている。これは翻訳学で言うところの「等価」の発想である。しかし、現在の品質評価では等価に加えて「目的」に適っているかどうかも重視される。つまり翻訳は、単に入力文と出力文だけで成り立つのではないということである(この辺りについてはこちらのブログ記事を参照)。 実のところ、翻訳では原文のライティングから最終読者の反応まで考える必要があると思う。良い訳文を作るには、そもそもクライアント側で書く原文が良くないといけない。また、良い訳文かどうかの判断は訳者の独りよがりではなく、読者の反応も考慮に入れないといけない。要

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  • コンテンツの種類で翻訳品質の測定基準を変える : IT翻訳者Blog

    翻訳業界では翻訳の「品質」を測定するのに、用語間違いなどの「エラー」の数と重大度を用いる方法がよく使われています。例えばLISAのQAモデルと呼ばれる方法です。エラーで品質を測定する方法には批判もあると以前の記事でも書きましたが、最近ではコンテンツの種類で測定基準を変える方法が提唱されているようです。TAUSという団体の「Dynamic Quality Framework (DQF)」はそういった方法の例で、こちらのサイトに具体的なツールがあります。 以下の写真のように、例えばコンテンツのカテゴリーを「User Interface Text」などと指定します(IT関係のコンテンツに偏っているのが気になりますが…)。 (https://evaluate.taus.net/evaluate/content-profiling/profile-your-content より) その後で「RECO

    コンテンツの種類で翻訳品質の測定基準を変える : IT翻訳者Blog
  • 変化するUIテキストの作成と翻訳 : IT翻訳者Blog

    ソフトウェアのインターナショナリゼーション(I18N)では「ソースコードと表示テキストの分離」という作業をします。分離して別ファイルにしておくことで、外部の翻訳業者にテキストを送って翻訳してもらえたり、翻訳者が誤ってソースコードを編集してしまうことを回避したりと、ローカリゼーション(L10N)がやりやすくなるわけです。開発と翻訳の分業です。 【よくある形式の翻訳ファイル】 SNS機能が付いた棚登録アプリみたいなものがあったとして、例えば以下のようなメッセージが表示されるとします: タロウさんの棚には5冊のがあります。 SNS上で友達である「タロウ」さんは、読んだを5冊登録しているという単純なメッセージです。開発時には「名前」と「冊数」の部分を変数にしておき、実行時に具体的なテキストを代入すれば良さそうです。例えば前者の変数を仮に{0}、後者を{1}とすると… {0}さんの棚には{

    変化するUIテキストの作成と翻訳 : IT翻訳者Blog
  • ローカリゼーション練習用アプリを公開 : IT翻訳者Blog

    ローカリゼーション練習用アプリを公開しました。 こちらからダウンロードできます(無料): L10N Training App - Nishino's research 簡単に言うと、アプリの言語リソースファイルを翻訳すればUIをその言語で表示できます。 例えば元々のUI英語のアプリをダウンロードし、言語リソースファイルを日語に翻訳すると、UIは日語で表示されます。ソフトウェア翻訳の練習ができたり、L10NやI18Nに関する知識が身に付いたりというものです。 実際に翻訳しているビデオはこちら: 以上です。

    ローカリゼーション練習用アプリを公開 : IT翻訳者Blog
  • ローカリゼーション練習アプリを使った実習形式講座 : IT翻訳者Blog

    6/26(水)に、L10N練習アプリを使った実習形式の講座を開きます。 時間は18:30〜、場所は東京工業大学(大岡山キャンパス)です。詳細と申込みはこちらのページからどうぞ。 具体的にはこんな画面のウェブ・アプリケーションを翻訳します。 UIの文字列は、以下の画像のように、別のテキスト・ファイルとして保存されています。これを(例えば)英語に翻訳することで、即座にUI英語で表示されるようになります。

    ローカリゼーション練習アプリを使った実習形式講座 : IT翻訳者Blog
  • IT関連英単語のスペルの変遷 : IT翻訳者Blog

    大学院の統計の授業でレポートを出す必要があり、IT関連英単語のスペルが10年間で変化しているか否かを調べてみました。なかなか興味深い発見があったので、一部を紹介します。 方法としては、まずCNNニュースのアーカイブから2001年分と2011年分のIT関連ニュース(「Tech」カテゴリ以下)をサンプル取得してコーパスを作成しました。コーパスのサイズ(延べ語数)は次の通りです。 2001年: 63,657語 2011年: 86,528語 これに対して分析を加えました。 ◆「email」か「e-mail」か emailにハイフンを付けるかどうかという議論は英語圏でもあります。今回はこの10年間で変化があったかどうかを確かめたいと思います。 2001年と2011年のコーパスではサイズが違うので、共に100万語あたりに換算して生起頻度をグラフにするとこうなります。 頻度としては、e-mail(ハイフ

    IT関連英単語のスペルの変遷 : IT翻訳者Blog
  • Google Apps Script でデータを自動収集しサイトを更新 : IT翻訳者Blog

    Google Apps Script はもともと Google Apps で使われていたのですが、今では Google Docs(Google ドキュメント)でも利用できます。つまり、Google のアカウントがあれば誰でも利用できます。 スクリプト自体は Web ブラウザでも動作する JavaScript と同じなのですが、ローカルのブラウザではなくサーバー上で実行されます。 この間の Google I/O で GUI ビルダーの追加が発表されるなど、開発が容易になってきました。現在は日語ドキュメントはほとんどありませんが、そのうち出てくるでしょう。 ◆ Script でデータを取得し、Web ページとして公開 Google Apps Script は、Google スプレッドシート上か Google サイト上で実行できます。 Google スプレッドシートには、そもそもシートを他人と

    Google Apps Script でデータを自動収集しサイトを更新 : IT翻訳者Blog
  • 数百冊をわずかな時間で読書管理サービスに登録 : IT翻訳者Blog

    こんな記事があった。 無料の「読書管理サービス」8選 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20412860,00.htm 私は比較的読書が好きなため、は家にかなりある。しかし忘れっぽいので書店で「このは前に買ったことがあるような気がするが、別のだっただろうか……」と考えたり、「メモを付けておきたいけどに書き込んでも検索できない……」と思うようなケースがたまにある。それでずっとの管理サービスを使いたかったのだが、何百冊とあると入力だけで数時間どころか数日かかる可能性があるので、できないでいた。 しかし、その間にもは増え続けるので、始めなきゃならない。上の記事を読み、インターフェイスやユーザー数などから「ブクログ」を使うことにした。 家の棚には数百冊くらいがある。いちいち手入力していてはたまらないので、バーコー

    数百冊をわずかな時間で読書管理サービスに登録 : IT翻訳者Blog
  • スティーブ・ジョブズ「Thoughts on Flash」参考訳 - IT翻訳者Blog

    2010年04月30日 04:06 カテゴリIT スティーブ・ジョブズ「Thoughts on Flash」参考訳 Posted by rnishino No Comments No Trackbacks 先日アドビが Flash の iPhone 対応を打ち切りましたが、これに関連してスティーブ・ジョブズが声明を出しています。 Thoughts on Flash http://www.apple.com/hotnews/thoughts-on-flash/ 以下はこの声明の参考訳です。 正式な情報はリンク先の英文にあたってください。 (短時間で訳して推敲もしていないので、訳文がこなれていなくてもご容赦ください。内容が誤っている場合はコメントをください。) ◆◆◆ Flash に対する考え方 Apple と Adobe の間には長期の関係があります。実際 Apple は、

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