2006年初めに槌田敦氏の「CO2による温暖化は起こらない」という趣旨の講演 (槌田 2006の本とほぼ同じ内容)を聞いた。同じ年のなかばにはLovelock (2006)の「温暖化は生態系の破滅をもたらす」と主張する本を読んだ。とても悲しかった。([ある本の読書ノート]の序論や「みすず」2007年1・2月号の読書アンケートに短く書いた。) 地球環境は一種の準定常システムであり、人類の活動が持続可能であるためにはその「準」の範囲におさまる規模である必要があるのだと思う。1970年代に、槌田氏の熱力学にもとづく定常開放系の議論や、Lovelock氏の自己調節機能をもつ「ガイア」の議論のおかげで、そのような認識が育ってきたのだ。 槌田氏は(1978年、1982年の著作などで)、熱平衡にないシステムが準定常状態にあるためにはエントロピーを運び出すしくみが必要であり、地球環境にはそれがあることを指
2011年02月19日18:14 カテゴリ地球温暖化に関する科学地球温暖化懐疑論について 放射対流平衡とCO2による温暖化 「このブログについて」という記事にコメントがありました。このブログを始める前の、2006年2月18日にあった討論会のことが話題になっています。 その討論会に、わたしは講演者ではなく聴衆のひとりとして出席していました。全体討論の時間に、槌田敦さんの講演について、放射対流平衡というのは熱力学的平衡ではない、地球が宇宙空間に出す放射の代表高さは固定されていない、という2つのコメントをしたと記憶しています。しかし、短くそれだけ述べただけでしたので、槌田さんにはその意味をわかっていただけなかったようですし、ほかの聴衆のかたにもわかっていただけなかったのではないかと思います。ここで説明をしなおしてみることにします。 二酸化炭素がふえるとどのくらい気候が温暖化するかという定量的見通
講演・論文掲載拒否に関する損害賠償請求裁判「槌田敦vs日本気象学会」について、3月18日(木)に東京地方裁判所によって言い渡された判決文が公開されています。 http://env01.cool.ne.jp/global_warming/saiban/100318hanketubun.pdf , http://song-deborah.com/case1/X/100318judgement.pdf (2つは同じ内容です。時間のない方は13ページ以降の「争点に対する判断」を読めばよいと思います。) また、原告の槌田敦氏と代理人弁護士の柳原敏夫氏による声明が発表されています。 ・ 槌田敦氏 http://env01.cool.ne.jp/index02.htm 特に「CO2温暖化を問う2つの裁判報告(4)」 http://env01.cool.ne.jp/global_warming/saiba
この話は暗い話なので、読まれない方が良いかも知れません。 ・・・・・・・・・ 4大事件(タイガーウッズ、鳩山首相、国母君、それに小宮山前東大総長)も最後になりました。 学問の自由に関するものなので、これまでよりなじみが薄い方が多いと思いますが、日本にとっては大切なことなので、慎重に書きました。 また、このタイトルを付けるのにすこし考えたのですが、「犯罪人」に敬称をつけるか?と迷いました。鳩山首相が「平成の脱税王」とすると、首相といういわば敬称をつけるのは問題で、単に「鳩山」と呼ぶべきだと思います。 でも、私は日本人なので、どうも首相を呼び捨てにするのに抵抗があります。それは「偉い人はそれなりに待遇する」という日本人の礼儀があるからです。 しかし、12億円もの脱税をして、国会で名指して指摘され、指摘した人を名誉毀損で訴えないということになると、これはハッキリとした犯罪人ですから、「首相」とい
2019年4月1日をもって、サステイナビリティ学連携研究機構は、東京大学未来ビジョン研究センターに組織統合しました。本サイトはリンク等が正常に機能しない場合があります。最新の活動状況は、IFIウェブサイトをご覧ください。 「サステイナブルな地球温暖化対応策」 著者:住明正 平松あい 風間聡 増井利彦 一方井誠治 松岡俊二 田村誠 三村信男 サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)で取り組んできたフラッグシッププロジェクトの内、東京大学地球持続戦略研究イニシアティブ(TIGS)と茨城大学地球変動適応科学研究機関(ICAS)が幹事を務めた「サステイナブルな地球温暖化対応策」のとりまとめとして発表した叢書である。第一章では、地球温暖化問題全体を考える枠組みを構築した成果について、第二章では、地球温暖化問題を、関連した複数の問題と一緒に捉える三社会統合モデルについて、第三章では、緩和策と適応策
2ちゃんやmixiでも話題なのでしょうが... http://sankei.jp.msn.com/science/science/090802/scn0908021801001-n1.htm 東京地裁で気象学者らが注目する裁判が行われている。 原告は「CO2温暖化説は間違っている」などの著書がある“懐疑論者”の一人、槌田敦・元名城大教授。被告は日本気象学会(東京)だ。 槌田氏の訴えはこうだ。 昨年4月、「二酸化炭素(CO2)の増加が地球温暖化をもたらす」という“通説”の因果関係の逆、つまり「気温が上昇することで海中に含まれるCO2が放出され、CO2濃度が増加する」とする論文を日本気象学会機関誌「天気」に投稿したところ、学会は2度にわたり論文の書き直しをさせ、一部は評価したにもかかわらず「長期的な因果関係の論拠が示されていない」などとして掲載の拒否を決定したという。 槌田氏は、自説を5月の気
【日本の議論】地球温暖化は本当なのか 台頭する懐疑論、バスターズも (1/5ページ) 2009.8.2 18:00 「環境問題はなぜウソがまかりとおるのか」「科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている」。温暖化を防ぐためのさまざまな対策が講じられているが、書店では今も温暖化に異論を唱える本が、売れている。こうした議論をめぐって、東京地裁で裁判も起き、係争中だ。温暖化「異論」の背景は−。(杉浦美香)温暖化懐疑論が裁判に 東京地裁で気象学者らが注目する裁判が行われている。 原告は「CO2温暖化説は間違っている」などの著書がある“懐疑論者”の一人、槌田敦・元名城大教授。被告は日本気象学会(東京)だ。 槌田氏の訴えはこうだ。 昨年4月、「二酸化炭素(CO2)の増加が地球温暖化をもたらす」という“通説”の因果関係の逆、つまり「気温が上昇することで海中に含まれるCO2が放出され、CO2
さて前回の続きである。 地球温暖化の原因としては、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの影響が指摘されて いることはTVなどで皆さんご存じだろう。たとえば、下記のサイトを見てお分かりのように、 過去40万年の南極の気温とCO2の濃度には、大変よい相関関係がある。 ●Changes in Carbon Dioxide and Temperature (U.S. EPA) 図の右端でCO2濃度がグインと上昇している。 詳しく見ると1850年以降上昇しているようだ。 ●過去250年間の大気中二酸化炭素濃度の増加の様子 (東北大学大気海洋変動観測研究センター) 「この割合なら、これから気温は10度以上上昇するのでは?」などと思ってしまう。 しかし相関関係があるからといって、CO2が地球温暖化の要因といえるだろうか? 最近面白い説がインターネット上を賑わしている。それは… 「CO2濃度の増えたのは
前回は槌田氏の新ネタを読んだので、今回は本丸に入ることにする。 本丸とは2章のタイトルにあるように『気温上昇が「原因」、CO2増加は「結果」』という主張のことだ。この主張の歴史は古く、環境経済・政策学会 和文年報 第4集や京都大学原子炉実験所での講演記録・1998.12.22の頃からその主張は変わっていない。この本を持っていない方でも同様の主張がWeb上で読めるので、詳しく知りたい方はそちらを参照のこと。 正直言ってツッコミどころが多すぎて全てに言及すると疲れるので、できるだけポイントを絞って解説することにする。 槌田の主張はこうだ。 この章では、大気中のCO2濃度は、人間活動とは関係がなく、気温の上昇による結果であったことを説明する。 すなわち、大気中のCO2濃度の増加が原因で温暖化が進行したのではなく、気温(海面温度)の上昇で海水中のCO2が大気に放出され、大気中のCO2濃度が増えたの
昨日読了した槌田敦「CO2温暖化説は間違っている」のレビューを行う。 さて、まずは著者のプロフィールから見てみよう。 学歴、職歴はどうでもいいので略。中西準子氏によれば「(かつて)所謂市民派研究者の代表的な人で、エントロピー学会の創設者の一人」だそうだ。真に市民派かどうかは不明だが、エントロピー学会については本の中に以下の記述があった。 エントロピー学会という学会がある。私はこの学会の発起人のひとりであるが、その学会の編集する論文集に投稿した私の論文について、このCO2温暖化とフロンに関する部分の削除が要請された。このような自由に意見のいえないような学会の設立を提案した覚えはないので、原稿を取り下げ、即刻脱会した。 p137 だそうで、既にエントロピー学会とは縁を切っているようだ。しかし、論文の一部に対する削除要請や論文そのものの却下なんて普通にある話のはずなんだが、その原因を自分の論文の
RikaTanに掲載された、「謎水装置」NMRパイプテクターに翻弄される人々(小南秀雄)は、RikaTanサイトhttp://www.rikatan.com/NMR.pdfと、小波氏のサイトhttp://konamih.sakura.ne.jp/Documents/PipeTec_Rikatan2019.pdfの両方で公開されている。この2つのサイトが、名誉毀損を理由に、Googleの検索結果から除外された。 除外されていることの確認をするには、まず、Google検索に上記2つのURLのどちらかを入力する。すると、検索結果の一番下に、 Google 宛に送られた法的要請に応じ、このページから 1 件の検索結果を除外しました。 ご希望の場合は、LumenDatabase.org にてこの要請について確認できます。 と表示される。「この要請について確認」の部分がリンクになっているので、クリック
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