もし光より速い粒子があれば、過去に情報が送れてしまうのである。 そんなことが実現できれば世の中は一体どうなってしまうのか、そんなところまでは分からない。 とにかく理論的には可能だということを説明しよう。 過去への通信を実行するには、一人だけでは無理である。 協力者が必要だ。 協力者にはロケットに乗ってもらって、一定速度で自分から離れて行く旅に出てもらう。 これを図にすると、こうなる。 時間は図の中で下から上へ向かって流れているとする。 左右が距離を表している。 斜め 45°の直線(赤色)が光の速度を表している。 協力者のロケットは当然光よりは遅いので、その軌跡は 45°より上を向いた直線(緑色)として描かれる。 ここに協力者にとっての「同時刻」線(水色)を書き入れてみよう。 ローレンツ変換の結果を図示するとこうなるのである。 協力者の軌跡(緑色)と同時刻線(水色)は 45°の線を挟んで対称