ピアニスト・文筆家として演奏と執筆の両面で活躍する青柳いづみこさん。2016年9月には中公新書『ショパン・コンクール 最高峰の舞台を読み解く』を、10月には作曲家・ピアニストの高橋悠治さんと『大田黒元雄のピアノ――100年の余韻』と題するCDを発表したばかり。そんな青柳さんの「知の現場」=自宅を訪問しました。 まずは何といってもピアノ。以前はここで生徒を教えていたので2台並んでいます。高橋悠治さんとの2台ピアノ曲もこの部屋で練習したとか。ここでドビュッシー『牧神の午後への前奏曲』が鳴り響くのを想像すると......。 「途中からはスタジオを借りましたが、ここならタダですから。本番が迫っているとき、譜読みするときは朝から晩まで弾いています。でも本を書くあいだは1週間とか10日間とか弾かないこともありますね。ピアニスト仲間のあいだでは、『練習しないとうまくなるよね』と言い合うことも(笑)」 右