甘いリスク管理、再び露呈 外債依存、見直し急務―農林中金 時事通信 経済部2024年05月23日07時56分配信 農林中央金庫の看板 農林中央金庫が外国債券運用で巨額損失を計上する見通しとなり、大規模な増資検討に追い込まれた。運用の失敗で財務基盤が揺らぐ事態は、リーマン・ショック後の巨額増資と同じ構図で、国内有数の機関投資家の甘いリスク管理が再び露呈した格好。大部分を外債運用に頼る収益構造の見直しが急務だ。 農林中金、1.2兆円増資検討 外債運用で含み損拡大 「想定を超えるような金利の引き上げだった」。奥和登理事長は22日の記者会見で、米国の金利上昇に対応し切れなかったことを認めた。 農林中金は、融資先が農林水産関係に限定され、貸出金は総資産の2割に満たない。一方、運用資産は約56兆円に上り、そのうち55%超が米国債を中心とした債券投資で、株式は2%程度にとどまる。 リーマン・ショックの際