至高の左足キックを持つレフティーが、古巣・FC東京への復帰を決断した。昨冬、オランダのフィテッセへ完全移籍した太田宏介が、再び“青赤”のユニフォームに袖を通すことになったのだ。昨年9月、10月に行われたFIFAワールドカップ ロシア アジア最終予選で日本代表に選ばれ、所属クラブでも出場機会を増やしていた彼は、なぜ長年の夢だったヨーロッパ挑戦に区切りをつけて日本へ舞い戻ってくることにしたのだろうか。そこには深淵たる“東京愛”、そして新たに発見した夢の存在があった。 インタビュー・文=馬場康平 ――まず、FC東京復帰を決断した経緯を教えてください。 太田宏介(以下、太田) 昨年の9月、10月頃に(フィテッセで)試合に出場できなかった時にも、期限付き移籍の話をもらっていたんです。ただ、その時点では帰ることは考えていなかった。まずはフィテッセでという思いが強かったし、チームが「ノー」と言ったので、