【辻外記子】日本膵臓(すいぞう)学会は26日、親や子、きょうだいに膵がん患者がいる人の登録制度を始めると発表した。家族に患者がいると、膵がんになりやすいため、定期的に検査をし、早期発見につなげる。特有の遺伝子の特徴も調べ、治療法の確立も目指す。 学会の担当委員会に参加する京都大や東北大など10病院が倫理委員会の承認をへて年内にも始める。 国内で膵がんで亡くなる人は年間約2万9千人。早期発見が難しく、死亡率は非常に高い。1994年に同様の登録を始めた米国では、家族に1人患者がいると膵がんになるリスクは約5倍、3人いると32倍高くなることがわかっている。 登録した家族には、CTやMRIなどの検査を受けてもらい、早期発見に役立てる。3年をめどに、集まったデータを分析して膵がんのリスク、効果的な検査法などを調べる。 関連記事家族が乳がんの女性、遺伝子変異3割 リスク予測に期待6/3遺伝性乳が
ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが受けた乳がんの予防を目的に乳房を切除する手術に関心が集まっていますが、日本乳癌(がん)学会は、手術の結果、乳がんで死ぬ人が減るかどうかは十分なデータがなく、今の段階では分からないとする見解をまとめました。 がんになる細胞をすべて取り除けないことなどが理由で、専門家は、手術のメリットとデメリットを慎重に考えてほしいとしています。 遺伝子検査で乳がんになるリスクが高いと判定された人を対象に、あらかじめ乳房を切除する手術は、アンジェリーナ・ジョリーさんが受けたことで関心が高まり、国内でも今後広まる見通しです。 このため、日本乳癌学会は、ことしの診療ガイドラインの改定でこの手術の効果について改めて評価し直しました。 その結果、乳がんになる危険性を減らす効果については、70%あった発症率が5%にまで下がったデータなどから予防の効果は大きいとしました。 し
末期がんや認知症が進行して衰弱した場合、一般人の約7割が、おなかに穴を開けてチューブで栄養を送る「胃ろう」や人工呼吸器を希望しないことが、厚生労働省が27日発表した終末期医療についての意識調査でわかった。 調査は3月、20歳以上の男女5000人に調査票を郵送し、2179人(回答率44%)から回答を得た。 末期がんの場合、水分補給の点滴は61%が「望む」だったが、胃ろうは「望まない」が72%、人工呼吸器も67%が「望まない」と回答。認知症の場合は、点滴も「望まない」が40%で「望む」は47%。胃ろうや人工呼吸器は、7割以上が「望まない」だった。 治療方針などをあらかじめ記載しておく「事前指示書」は、70%が賛成した。ただし、実際に作成している人は3%だった。
末期がんなどの際に神経が傷ついて起きる「神経障害性疼痛(とうつう)」という激痛の原因を動物実験で突き止めたと、福岡大学の高野行夫教授(薬理学)らが英科学誌電子版に21日発表した。 脊髄で「CCL―1」というたんぱく質が増えるのが原因だという。この疼痛にはモルヒネなどの鎮痛剤が効きにくいが、新たな治療法につながると期待される。 マウスの座骨神経を縛って激痛を再現したところ、脊髄のCCL―1が通常の2倍に増加した。また、正常なマウスの脊髄にCCL―1を注射すると、通常は激痛を感じた時に示す動作を、少しの刺激でも見せるようになった。 一方、CCL―1の働きを妨げる物質をあらかじめ注射しておくと、激痛を感じなくなる予防効果があることも確認した。
末期のがんなどを患う受刑者らに対し、八王子医療刑務所(東京都)で病気による身体的苦痛やストレスを和らげる「緩和ケア」が行われている。安定した精神状態で余生を送れるようにして更生につなげる狙いがあるが、医師不足や世論の反発など、浸透には課題が多い。 ▽後悔や反省を口に 「亡くなっていく受刑者に何ができるのか」。昨年、受刑者49人が死亡した八王子医療刑務所では、2010年ごろから緩和ケアを行っている。限られた余命の中、いかに更生につなげるかが課題で、所内の医師や看護師らで勉強会を開き、緩和ケアに取り組んでいる。 昨秋、肝臓がんの60代男性受刑者は海外に住む娘に電話した。けんかしていたが、会話を重ねて和解。男性はほほ笑んだような顔で亡くなった。 膵臓(すいぞう)がんの60代女性受刑者は昨春、希望していた所内の花見に参加。おかゆしか食べられない状態だったが、その日は他の受刑者と同じ弁当を食
ことし4月、法律に基づく定期接種に追加された子宮頸(けい)がんワクチンについて、厚生労働省の専門家会議は「接種のあと体中の痛みを訴えるケースが30例以上報告され、回復していない事例もある。この副作用は原因不明のため、国民に注意点を説明することができない」として、積極的に接種を呼びかけるのを一時、中止すべきだという意見をまとめました。 これを受けて厚生労働省は、近く全国の自治体に対して、対象者に積極的に接種を呼びかけるのを、一時中止するよう求めることにしています。 国が定期接種の対象としているワクチンについて接種の呼びかけを中止するのは、極めて異例です。
乳がん予防切除、国内でも=遺伝子変異ある人に−有明病院など 乳がん予防切除、国内でも=遺伝子変異ある人に−有明病院など 特定の遺伝子変異があり乳がんのリスクが高い人の乳房をあらかじめ切除する手術の実施に向け、がん研有明病院と聖路加国際病院(いずれも東京)が準備を進めていることが、20日分かった。 乳房の予防切除は、がんの発症リスクが下がるとの報告がある半面、遺伝子変異があってもがんが生じない例もあることなどから慎重な実施を求める声もある。米女優アンジェリーナ・ジョリーさんが手術を受けたと公表し、注目を集めた。 聖路加国際病院によると、対象は「BRCA1」「BRCA2」と呼ばれる遺伝子に変異があり、がんのリスクが高いと考えられる人。乳房内の乳腺を取り除くなどする。(2013/05/20-12:42)
子宮頸(けい)がんのワクチンで接種後の健康被害が報告されている問題で、厚生労働省の検討会は16日、因果関係を判断するための情報が不足しているとし、医療機関などから報告されていない例も含めて調査を進めることを確認した。接種の一時中止などは必要ないとの意見で一致した。 厚労省が検討会に示した資料によると、販売が開始された2009年12月以降、3月末時点の副作用報告は1968件。接種者数でみると、1万人に1人から2万5千人に1人の割合になる。このうち、運動障害が残るなど重篤とされたケースも106件あった。 同省によると、製薬会社のグラクソ・スミスクライン製造のワクチンでは、医療機関から1001件、製造販売会社から704件、別の製薬会社、MSD製造のワクチンは、医療機関から195件、製造販売会社から68件の報告があった。接種者数に対する報告の割合は0・004〜0・014%。これまで報告されてい
パリ(Paris)市内を走る救急車(2009年6月9日撮影、資料写真)。(c)AFP/LOIC VENANCE 【4月18日 AFP】フランスで先週、末期がん患者を病院に搬送中の救急車の運転手が心臓発作を起こしたため、患者が代わりにハンドルを握って病院まで運転し、運転手の命を救っていたことが17日、病院関係者の話で明らかになった。 仏北部の町ランス(Lens)の病院のフレデリック・アリアンヌ(Frederic Allienne)救急救命室長がAFPに語ったところによると、このがん患者は海沿いの町ベルクシュルメール(Berck-sur-Mer)在住のクリスチャン・ナイエ(Christian Nayet)さん(60)。11日、救急車を運転して同病院に運転手を運び込んだ。 仏紙ボワ・デュ・ノール(Voix du Nord)によると、ナイエさんは定期検査のためリール(Lille)市内の病院に向かっ
がんで闘病生活を続けながら最後までヒロシマと向き合い、原爆の恐ろしさを訴え続けた中沢啓治さん。「『ゲン』はわたしの遺書」という言葉を残し、73年の人生を閉じた。 「原爆はお袋の骨まで持っていくのか」。母の火葬後、ほとんど残らなかった遺骨を目の当たりにして増幅した怒りが、原爆をテーマにした作品を描く原点になった。 1973年にスタートした「はだしのゲン」の連載。40年近くを経て、今年度から広島市の平和教育の教材に使われ始めた。今夏、朝日新聞のインタビューに応じ、中沢さんは「連載を始めた当時、漫画はばかにされ、社会的地位を得ていなかった。思いもよらず感慨深い」と語った。 自伝となる「はだしのゲン わたしの遺書」(朝日学生新聞社)を今月、出版したばかり。「わたしが伝えたいことは、すべてあの中にこめました」と結んだ。3・11後の原発事故にも触れ、「唯一の被爆国なのに、放射能のことが正しく理解されて
大阪市中央区の校正印刷会社「SANYO―CYP」(サンヨー・シーワィピー)で胆管がん発症者が相次いだ問題で、同社地下作業場の空調の配置が不適切だったため、同じ作業場内で場所によって、空気中の化学物質の濃度に大きな差が出ていたことが、厚生労働省の調査でわかった。高濃度の場所には、校正印刷機や作業台が集中。元従業員の証言では、この付近で働いていた従業員の多くが発症していた。同省は、こうした空調構造が被害を拡大させたとみている。 同省の委託を受けた労働安全衛生総合研究所が31日、作業場の換気状況や化学物質濃度などについての報告書を公表した。同研究所は、地下作業場で印刷機を洗浄する再現実験を実施。洗浄剤に含まれ、発症原因として疑われる化学物質「ジクロロメタン」と「1、2―ジクロロプロパン」にさらされる濃度を計測した。 その結果、印刷機が集中するエリアでは、各物質の濃度は最大で、「メタン」が許容範囲
マレーシアの首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)郊外のカジャン(Kajang)で、割礼を受ける前の式典で祈りを捧げる子供たち。割礼とは陰茎包皮を環状に切除することで、一人前の男になる通過儀礼と見なす社会もある(2011年11月20日撮影、資料写真)。(c)AFP/Mohd Rasfan 【8月23日 AFP】米国でかつて広く行われていた男児包皮切除術の実施率が低下したことで医療費が数十億ドル(数千億円)規模で増加する可能性があるという研究結果が発表された。 米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の研究チームが行った研究は、20日付の医学誌「Archives of Pediatrics and Adolescent Medicine」で発表された。研究チームの1人、アーロン・トビアン(Aaron Tobian)氏は、包皮切除を行わないと生涯
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