沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件の映像流出を受け、国の情報漏(ろう)洩(えい)防止策を検討してきた政府の「秘密保全法制の在り方に関する有識者会議」(座長・縣公一郎早稲田大教授)は8日、最高刑懲役10年の罰則を盛り込んだ秘密保全法制を早急に整備すべきだとする報告書をまとめた。有識者会議は取材活動などが制限される可能性を否定するが、強力な「リーク防止法」が制定され、恣(し)意(い)的に運用されれば、国民の知る権利が侵害される恐れもある。
刑務所図書館の人びと―ハーバードを出て司書になった男の日記 [著]アヴィ・スタインバーグ[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)[掲載]2011年7月10日著者:アヴィ スタインバーグ 出版社:柏書房 価格:¥ 2,625 ■体験談がやがて文学的世界へ 1分間の話を10分間に延ばして話すには天賦の才が必要だ。10分間を1分に縮めるのも才覚が必要だが、10分間の話を10分間で話すのは単なる凡俗の徒である。これが本書を読んだ率直な感想だ。 どういう意味か。米国・ボストンの刑務所図書館で司書を務めた名門大学出身の青年の体験談、それが1分間の内容である。しかし、受刑者からブッキー(本好き)と呼ばれたこの司書が刑務所内で見たアメリカ社会の実像、受刑者たちの人生模様、そこに著者の人生をからませて感性豊かに、ある空間が描かれる。10分間に延ばした量と質が文学作品のレベルなのである。 著者には社会から切
かけ算には順序があるのか [著]高橋誠[評者]福岡伸一(青山学院大学教授・生物学)[掲載]2011年7月10日著者:高橋 誠 出版社:岩波書店 価格:¥ 1,260 ■思想史的な問いかけ、なのだ 今、小学校では、「6人に4個ずつミカンを配ると、ミカンは何個必要ですか」という問題に、6×4=という式を書くと、バツにされてしまうという。「教師用指導書」には、かけ算の式の順序を教えるように、と明記されているのだ。かけ算とは、「ひとつ分の数」×「いくつ分」によって「ぜんぶの数」を求める操作であり、順序の理解は、かけ算の導入期のルールとしてぜひ必要なのだという。つまり4×6が正解。 著者は文学部卒。この考え方にひっかかりを感じ、算数教育の歴史をひもといてみた。議論は実に40年ほど前から繰り返されており、今もネットで父母、教師を巻き込んで継続中。古くは数学者、遠山啓、矢野健太郎、森毅なども活発に発言
飯舘の土壌でバリウム検出 桜井市長に土壌からバリウムが確認された経緯を説明する田崎名誉教授(中央) 東京電力福島第1原発事故の放射性物質による土壌の除染を研究する金沢大の田崎和江名誉教授は2日、南相馬市を訪れ、放射線量が高くセシウムを含んだ飯舘村長泥の土壌からバリウムが検出され、線量も低下したと桜井勝延市長に報告した。田崎名誉教授は「飯舘村の放射能探査と汚染土壌の除染実験」と題した論文を「地球科学」に今月下旬に発表する。 田崎名誉教授は、同村の土壌から放射性物質の濃度が高い土壌に吸収効果がある糸状菌を発見。同市原町区のほ場で稲を植え、詳細な除染効果実験を進めている。 田崎名誉教授によると、通常の状態で土壌からバリウムは確認できなかったため、糸状菌が土壌のセシウムを吸収し、物理学的半減期が30年のセシウム137が生物学的半減期で100日程度となり、バリウムが確認された可能性が高い―と説
印刷 東日本大震災の被災地で葬儀をめぐる苦情が相次いでいる。遺体の安置が1日10万円、ドライアイス代も1万円……。高額な請求が被災者を苦しませる事例がある。犠牲者の葬儀はお盆前のいまも営まれており、業界団体が注意を呼びかけている。 「遺体安置料 80万円」。津波で妻(52)と母(81)を亡くした宮城県石巻市の会社員の男性(55)は請求書の数字に驚いた。 近くの葬儀社に頼んで遺体を4日間斎場に安置した後に火葬。数日後に葬儀を済ませていた。 「なぜこんな高いのか」。男性が問い合わせると、担当者は「斎場に安置する手数料が1人1日10万円。他のご遺族も同様に払ってもらっている」と説明したという。渋々支払ったが、5月に同じ葬儀社に依頼した知人は、安置料を請求されなかったという。 「震災の混乱に乗じてふっかけられたのかも。納得いかない」と男性は憤る。安置料の相場は1日数万円とされ、県葬祭業協
米ネバダ(Nevada)州ラスベガス(Las Vegas)で開かれたハッカーの会合「デフコン(DefCon)」で披露された、上空からのサイバー攻撃が可能な自作無人機(2011年8月5日撮影)。(c)AFP/Glenn CHAPMAN 【8月8日 AFP】上空からサイバー攻撃や携帯電話通話の乗っ取りができ、ダーティーボム(放射性物質汚染を起こす爆弾)の投下さえ可能な無人機を、米コンピューターセキュリティー専門家らが自作し、このほど発表した。 重さ6キロの機体の名前は「ワイヤレス航空監視プラットホーム(Wireless Arial Surveillance Platform、WASP)」。セキュリティー専門家のリッチ・パーキンス(Rich Perkins)氏とマイク・タッシー(Mike Tassey)氏が自宅ガレージで、米軍払い下げの無人機を改造して作り上げた。 ■ホットスポット探して侵入、基
児童虐待を子どもの体の傷などから素早く発見しようと、法医学者や小児科医らの専門家チームが判別ソフトを開発し、医療現場や児童相談所(児相)で試験運用を始めた。 全国の児相が昨年度に対応した児童虐待の相談や通報は過去最多で5万件以上。だが、職員不足などから虐待の有無を十分に判断できていないといい、ソフトで迅速、正確な発見が期待される。 独立行政法人「産業技術総合研究所」(茨城県つくば市)の研究者や医師、大学教授ら15人が2008年から「虐待予防プロジェクト」として研究。来春の本格運用を目指している。 チームは、やけどや転落などをした0~15歳の診察データ約1万3000件を集積し、特有の受傷状況を分析。これを基に開発したソフトは、けがの部位や傷の状態、年齢、性別を入れると虐待の確率を算出する。
印刷 西岡秀雄さん(にしおか・ひでお=慶応大学名誉教授、日本トイレ協会名誉会長)が1日、急性心不全で死去、97歳。葬儀は近親者で行われた。 トイレ事情に詳しく、公衆トイレを清潔で使いやすくするための活動などに尽力した。
徳島県特産の柑橘(かんきつ)・スダチが、天皇代替わりの儀式・大嘗祭(だいじょうさい)の献上品だったとみられることが分かった。大麻比古神社(鳴門市)に伝わる江戸時代の古文書にその記述があり、10世紀の法令集「延喜式(えんぎしき)」にある「橘子(タチバナ)」という言葉をもとに「スダチ献上」に触れている。須藤茂樹・四国大学専任講師(日本文化史)は「少なくとも江戸時代には、大麻比古神社では橘子をスダチとし、大嘗祭に阿波から献上されたと認識していたことは間違いなく、非常に興味深い」と話している。 スダチ献上に触れた記述は、大麻比古神社が1955年に編集・発行した「大麻比古神社祭神考証」の付録「大麻山舊跡(きゅうせき)秘録」に収められていた。寛政5(1793)年の日付で「すだち 柚ニ似て柚よりちいさき者」「すだちと申ハ橘之種類」などの表記に続いて、「延喜式大嘗会之部ニ阿波國より橘子十五篭奉ると相見」
「これは茶会暴落だ」。オバマ米大統領側近のアクセルロッド前大統領上級顧問は7日のCBSテレビ番組で株安・ドル安や米国債の格下げをこう命名した。オバマ政権と敵対する保守派の草の根運動「茶会党」に責任を押しつける思惑なのは明らか。2012年大統領選に向け、論戦が一段と先鋭化しそうだ。大統領再選準備委員会の戦略担当に就いたアクセルロッド氏は「茶会の瀬戸際戦術が米国を債務不履行
トップ > 静岡 > 8月8日の記事一覧 > 記事 【静岡】 原発の存否「政策以前に人命の問題」 福島の弁護士が窮状を訴える Tweet mixiチェック 2011年8月8日 福島第一原発事故について語る弁護士の渡辺淑彦さん(左)と渡辺純さん=7日、静岡市内で 福島第一原発事故で被災した福島県弁護士会の弁護士2人が7日、静岡市内で講演した。原発や事故に翻弄(ほんろう)され続ける地元住民の窮状を声を詰まらせながら語り、原発の存否をめぐる議論に「エネルギー政策の前に、人の命の問題として考えなければならない」とくぎを刺した。 故郷の福島県いわき市で2007年に開業した渡辺淑彦弁護士(41)は、刑事事件を起こした元被告の大半が原発作業員として再就職し、危険にさらされていたと報告し、原発立地を「経済的に弱い地域が狙われてきた」と批判。原発頼みの行財政も含めて違和感を覚えていたと振り返りつつ、「反原
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