【ニューヨーク=松尾理也】イランのアフマディネジャド大統領が23日、国連総会の一般演説に臨み、2001年の米中枢同時テロ(9・11)は米政府の自作自演との陰謀論をまくし立て、米代表団が一斉に退席する一幕があった。 アフマディネジャド大統領は同時テロについて、「強力かつ複雑なテロ組織が米国の諜報(ちょうほう)組織や軍に浸透している」「米政府の一部が、イスラエルを救うために同時テロを実行した。このことは多くの米国人や世界中の人々が同意している」などと述べた。なぜテロがイスラエルを救うことにつながるかなど、論理的な説明はなかった。 米国連代表部は「予想されたことだが、アフマディネジャド氏は善良なイラン国民の代表として発言する代わりに、またしても妄想だらけの陰謀論をまくし立てた」との声明を発表した。同大統領はこれまでも同時テロをめぐる陰謀論や反イスラエル発言を繰り返し、物議を醸している。 【