<県外資本9割> 「太陽光や風力でエネルギーを生みだし、復興を後押ししたい」。新たな発電事業者が各地で名乗りを上げ、大規模なプロジェクトの発表が相次いでいる。 特に年間を通じて強い西風が吹き付ける東北の日本海側は風力発電の国内最適地で、震災以前から先進地だった。 「だが、その大半は東京資本。東北は場所を貸すだけ。利益は根こそぎ東京に持って行かれ、地元には何も残らない」。秋田県内の企業や市民団体が集まり、風力発電の普及に取り組む「風の王国プロジェクト」事務局長の土方博生さん(60)はこう指摘する。 青森、秋田、福島の3県にある計390基の風車のうち約9割が県外資本だ。 こうした現状を疑問視する自治体関係者や研究者らが6月に「自然エネルギーは地域のもの」と銘打ったシンポジウム(科学技術振興機構主催)を東京で開いた。 風の王国の活動理念が紹介されると一瞬、会場がどよめいた。 「事業組織は2分の1