月末の生活保護費の支給日。多くの人たちが目抜き通りを行き交った=1月31日、大阪市西成区、日吉健吾撮影午前5時になると買い物かごいっぱいに総菜を入れた人たちが、半額シールをつける店員の前に列を作った=1月28日、大阪市西成区のスーパー、伊藤恵里奈撮影 生活保護費の全国の支給総額が年3兆円を突破した。日雇い労働者の街、大阪・釜ケ崎では3人に1人が受給者になった。「日銭1億」といわれた労働者の賃金が街を潤す光景は消え、代わってもたらされた「生活保護マネー」が、この街のかたちを変えつつある。 ◇ 「ヤミ金長屋」 マンションや雑居ビルが立ち並ぶ釜ケ崎の一角に、そう呼ばれる路地がある。「××商事」「○○企画」。マンション1階のテナントに数軒の貸金業者が連なる。普段は閑散としているが、生活保護費が支給される月末になると人の出入りが激しくなる。 昨年11月、多重債務者を支援する「大阪いちょう