商工ローン大手「SFCG」(旧商工ファンド)の破綻(はたん)直前に多額の資産が流出したとされる事件で、電磁的公正証書原本不実記録・同供用の罪に問われた元社長の大島健伸被告(68)の控訴審判決が28日、東京高裁であった。朝山芳史裁判長は、懲役1年6カ月執行猶予3年とした一審・東京地裁判決を破棄し、全面無罪とした。 2014年4月の一審・東京地裁判決は、SFCGが保有する約418億円の債権を親族が代表を務める不動産会社に実質的に無償譲渡した会社法違反などについて、無罪とした。一方で、うその内容を登記した罪については有罪と判断した。 朝山裁判長は「一審が有罪の根拠とした会社関係者の証言は、客観的事実と整合していない」と指摘。「被告が虚偽の登記申請を指示したと認めるには、合理的な疑いが残る」と述べた。 東京高検の堺徹次席検事は、「判決内容を検討し、適切に対応したい」とするコメントを出した。
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