米銀シティグループは、2008年の金融危機で米連邦当局が最も多額の資金を投入して救済した銀行だが、その歴史を考えると、信じ難いニッチ分野の開拓に動いているように思われる。 シティは米主要行の中でデリバティブ(金融派生商品)の保有がすでに最も多いが、リスク資産の持ち高を速やかに減らす圧力にさらされる欧州のライバルからクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を買い取っている。 スイス銀行2位のクレディ・スイス・グループは数週間前、想定元本総額3800億ドル(約38兆5000億円)相当のデリバティブポートフォリオを売却したことを明らかにし、これが50億ドル程度のレバレッジエクスポージャー圧縮に貢献した。ブルームバーグ・ニュースは今月5日、シティがこのポートフォリオを落札したと報道。ブルームバーグが3月に伝えたところでは、シティはドイツ銀行からも想定元本約2500億ドル相当のクレジットデリバティ