垂直に偏光した光に対するハイディンガーのブラシのイメージ。 大きさと濃さは強調されている。 ハイディンガーのブラシ (Haidinger's brush) は内視現象のひとつで、偏光している可視光を見たときにヒトの視野の中心部にかすかに現れる束状の模様をいう。 横波である光は、電場・磁場がある方向に振動している。 太陽光のような一般的光はこの振動方向がさまざまに入り混じったものだが、青空や反射光はある特定の方向へと振動が偏った偏光した光である。 一部の渡り鳥や昆虫の眼はこの偏光した光の振動方向を感じとる力があり、太陽が直接見えなくても青空の偏光によって方角を知る手掛かりとしている。 また、タコやイカの眼にも偏光を感知する力があることが知られている。 ヒトには通常こうした偏光を感じとる力がないと思われがちだが、実はヒトの眼も光の偏光がわかる。 偏光した光をよく観察するとハイディンガーのブラシ
2018年12月17日10:02 カテゴリ 法則に従わない色混合 絵の具やインクなどは、顕色系(着色した色票を三属性に基づいて色記号や番号などで定量的に表す方法)であるが、通常の概念とは異なりこれらの色混合は減法混色という原理・原則に従わない。以下、それらの理論的背景について述べる。 <混色の基本的な考え方> 色は「光」と「物体」と「目」(見えの三要素)があれば見ることが出来る。また、光は波長ごとの特有の色を持っており、人間が見ている7色の虹などは分光された光が含まれる色情報そのものである。更に、カラーテレビで見ている色も光の色といえる。現在見ている光の色は、それぞれの色光を混ぜて各々の三刺激値が加算された刺激になって作用する。(図1参照) このように混色によって刺激が強くなるものを加法混色と呼ぶ。一方、色フィルタを重ね合わせる場合は、光の透過が減少する。このような混色は減法混色と呼ばれ、
このページではMathJaxによる数式表示を行っています。対応しているブラウザーであれば少し待てば数式が表示されます。 (画面左下にMathJaxのタイプセットステータスが表示されます。) 環境によっては表示が崩れているかもしれません。その際はブラウザーを変更してみてください。 人間が知覚可能な色の大部分はRGB三原色の組み合わせで表現することが可能です。しかし現実の光はスペクトラムと呼ばれる、様々な波長の光の合成となっており、3種類の光があるわけではありません。このページでは、スペクトラムとは何かといった簡単な説明、人間の知覚、スペクトラムとRGBの関係やそれらの変換方法などについて解説します。 スペクトラム(spectrum) 光は電磁波の一種で、波長の違いが人間にとって「色」として知覚されることは教科書にも載ってたりして割と有名なことだと思います。人間が知覚できる波長の電磁波は可視光
少数色覚者にとって黄緑とオレンジは見分けづらい組み合わせの一つです。この記事のタイトル画像とかなかなか最悪です。 WEB、アプリや印刷物などのメディアではだいぶカラーユニバーサルデザインの考え方が浸透してきており、デザイナーも多様な色覚でも読み違えないように配慮してデザインすることが当たり前になってきていると思います。 Photoshopなどのグラフィックツールには簡単に少数色覚の見え方を確認できるプレビューモードがありますし、AdobeColorを使えば無料で少数色覚の人が混同しやすい色かどうかをすぐに確かめられます。https://color.adobe.com/ja/create/color-accessibility 少数色覚が見分けづらい色の組み合わせだと「-」が表示されるしかし、工業製品の世界では少数色覚にとって見分けづらい緑とオレンジの組み合わせのLEDインジケータ(表示)を
星が限りなくあるのであれば、夜空はこのようにいたるところ輝いて見えるはずだが、実際にはそう見えないのはなぜだろうか。 オルバースのパラドックス(Olbers's paradox, Olbers' paradox)とは、「宇宙の恒星の分布がほぼ一様で、恒星の大きさも平均的に場所によらないと仮定すると、空は全体が太陽面のように明るく光輝くはず」というパラドックスである。 その名は、18 - 19世紀の天文学者であるヴィルヘルム・オルバースに由来する。ただしオルバースが最初に提起したわけではない。オルバースの逆説、オルバースの逆理、オルバースの背理、ド・シェゾー=オルバースのパラドックス(de Cheseaux-Olbers paradox)[1]などともいう。 このパラドックスの帰結は、星は距離の2乗に反比例して見かけの面積が小さくなるが、距離が遠い星の数は距離の2乗で増えるので、これらはちょ
ゲーテによる光のスペクトル ゲーテによる闇のスペクトル 『色彩論』(しきさいろん Zur Farbenlehre)は、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが1810年に出した著書。教示篇・論争篇・歴史篇の三部構成からなり、教示篇で色彩に関する己の基礎理論を展開し、論争篇でニュートンの色彩論を批判し、歴史篇で古代ギリシアから18世紀後半までの色彩論の歴史を辿っている。 ゲーテの色彩論は、約二十年の歳月をかけて執筆された大著であり、ゲーテはこの著作が後世においてどのように評価されるかにヨーロッパの未来がかかっていると感じていた。そこまでゲーテが危機感を抱いていた相手とは、近代科学の機械論的世界観である。色彩論においてはニュートンがその代表者として敵対視されている。ニュートンの光学では、光は屈折率の違いによって七つの色光に分解され、これらの色光が人間の感覚中枢の中で色彩として感覚されるとしてい
空高くから地上を移動する小動物を見つけ、素早く捕らえることができるイヌワシ。その目のよさの秘密は網膜に存在するたくさんの視細胞。網膜には視力に大きく関係する中心窩(ちゅうしんか)という組織があります。 ヒトは、中心窩に1平方mm当たり約20万個の視細胞を持っているのですが、イヌワシはおおよそ7.5倍の約150万個の視細胞を持つといわれています。また、この網膜の感度の高さに加えて、イヌワシは同時に2つのものをはっきりと見ることができます。ヒトは視線が一点に集中すると、それ以外の周りが見えにくくなってしまいますが、イヌワシは前を見て飛んでいるにもかかわらず、地上の小動物を見ることができるのです。 また、イヌワシの見る世界は色彩も豊かです。網膜のもう1つのはたらきは色を判断することですが、特に網膜にある、錐体(すいたい)細胞が色覚に大きく関係しています。ヒトは赤、緑、青、それぞれの光に反応する3
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米テキサスA&M大学、テキサス大学、ワシントン大学の研究チームが開発した「Organ-specific, multimodal, wireless optoelectronics for high-throughput phenotyping of peripheral neural pathways」は、ワイヤレスで機能する小型デバイスを手術で胃に埋め込み、胃の迷走神経(脳と胃を繋ぐ神経経路)を光で照射し刺激することで満腹感を錯覚させる手法だ。空腹状態でも満腹感を得られ、食欲を抑制することで、肥満の改善や長期的な防止につながるという。
『N線』(エヌせん、英語: N ray)は、1903年にフランスの科学者ルネ・ブロンロにより報告された現象であるが、後にそれは錯誤によるものであることが明らかになった。病的科学の一例として示されることが多い。 N線を"検出"した実験装置の図 1903年、ナンシー大学に籍を置く優秀な物理学者であったブロンロは、X線の偏光を観測するため放電管とスパーク・ギャップを並列につないだ装置で実験をしている最中に、スパーク・ギャップの電気火花の明るさが変化することに気がついた[1]。彼はこれを新しい放射線によるものだと考え、スパーク・ギャップと写真乾板を組み合わせた実験装置を作って火花の変化を写真に記録し[2]、この放射線をナンシー大学にあやかり「N線」と名付けた[3]。 ブロンロが報告したこの現象は、オーギュスタン・シャルパンティエ(英語版)など多くの科学者による追試でも確認され、多くの論文が発表され
むかしむかし、スイスにソシュールという言語学者がいました。 ある日彼は、言語の仕組みについてすごいことを思いつきました。 それまで言葉は世の中に存在するモノを指し示すためのラベルであると考えられてきました。たとえば、蝶(ちょう)という昆虫がいるから蝶という名前がついたというような。モノが先で、名前が後、という関係ですね。 でも、もしかしたら逆ではないか。つまり、名前がつくことが先で、その結果、対象が他のモノから分離し、浮き上がってくるというような関係。 たとえば、蝶という言葉があることで、蝶という昆虫が認識され、他の昆虫(たとえば蛾とか)と区別されるるようになったのではないかと彼は考えたのです。 「うそだー」って思う? でも、私たちが赤ちゃんから子どもにかけて言葉を覚えていくときのことを想像してみてください。モノの名前を覚えることが先で、その後にモノの概念を獲得していきますよね? 犬をみて
The Unsuccessful WWII Plot to Fight the Japanese With Radioactive Foxes An outlandish idea codenamed ‘Operation Fantasia’ aimed to demoralize the Axis power by mimicking legendary spirits Operation Fantasia aimed to destroy Japanese morale by exposing soldiers and civilians to a Shinto portent of doom: kitsune, or fox-shaped spirits with magical abilities. Illustration by Meilan Solly / Maps via S
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