民進党の菅直人元首相が、東京電力福島第1原発事故への対応を批判した安倍晋三首相のメールマガジンでうそを書かれ名誉を傷つけられたとして、損害賠償などを求めた訴訟は、菅氏の敗訴が確定した。最高裁第3小法廷(大谷剛彦裁判長)が21日付で、菅氏の上告を退ける決定をした。 確定判決によると、2011年5月、野党議員だった安倍氏は「菅総理が東電に海水注入をやめさせていながら『海水注入は菅総理の英断』とのうそを側近が新聞、テレビにばらまいた」との記事を掲載した。 一審東京地裁判決は、記事の重要部分を真実と認めて菅氏の請求を棄却。二審東京高裁も支持した。 菅氏は「残念な結果だ」とし、安倍氏は「私をおとしめようとした訴訟で、菅氏に猛省を求めたい」とのコメントを出した。