網走や紋別など、北海道のオホーツク海側の沿岸には毎年1月になると流氷が押し寄せてきます。しかし、北海道でも同じように気温が低い釧路の沿岸には、流氷はやってきません。それはなぜなのでしょう。 地図を見てみると、オホーツク海は四方を島や陸地で囲まれていることがわかります。オホーツク海というふうに“海”とよばれていますが、大きな視点で地図を見ると、太平洋とは隔てられ、実際はまるで巨大な湖のような地形です。外の海との海水の交換が非常に少ないため、“閉ざされた”海といっていいでしょう。 このように、点々と続く島々によって南下する流氷の進路が遮られるので、流氷が四方に広がらず、オホーツク海の内部にとどまるのです。 オホーツク海の流氷は、どこからやってくるのでしょう。以前は、凍ったアムール川の氷がオホーツク海に流れ、それが北海道までやってくるのではないか、という説がありました。しかし、1990年代の実験