空は、憎らしいほどに快晴だ。 湿気はそれほどないから蒸し暑さは感じないが、とにかく日射しが強い。夏でもないのに太陽の明るさが恨めしくなる。 ヴァイクたち一行はあれから少し休みをとり、しかしすぐにまた歩を進めていた。空は飛んでいない。 ベアトリーチェだけでなくジャンもいるからというのもあるが、ヴァイクの翼の傷はそれが許されるほど浅いものではなかった。 その影響もあるのだろうか、ヴァイクの表情は冴えない。なまじ、空がこれ以上ないというほど晴れ渡っているだけに、彼の暗さが際立ってしまっていた。 それは、他の二人にしてみても同じであった。ベアトリーチェはまた物思いに沈み、ジャンはそんな二人に挟まれてどうしたものかとずっと思案顔だ。 リゼロッテを失った影響は、それぞれが思っていた以上に大きかった。 いなくなって初めてわかる。あの少女の存在そのものが、周りを本当に救っていた。 ――力が入らない。 それ