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  • 言葉の伝わりやすさについて - レジデント初期研修用資料

    とくに仕事で使うことを前提にするのなら、丁寧な言葉よりも、伝わりやすい言葉を心がけるべきなのだと思う。 伝わりやすさには深度があって、言葉の最前に動詞を持ってくるのが最初の段階、もう少し慣れたら、動詞の代わりに要約を置くことができると、言葉はさらに分かりやすくなる。自分がどうしてほしいのかではなく、自分が情報を出すにあたって相手は何が知りたいのか、聞き手にとっての「要するに」を想像して、それを言葉の最前に配置することができるようになると、言葉はさらに伝わりやすくなる。 丁寧な言葉は伝わりにくい 漠然と丁寧な言葉というものは、会話の内容が伝わりにくい。 ぶっきらぼうな言い回しよりも丁寧な言い回しは好まれて、だれでもたぶん、仕事をする人は「丁寧な会話を心がけましょう」なんて教わっているものだから、電話の冒頭はたいてい、話者の挨拶が最前に来て、「今お時間は大丈夫でしょうか」みたいな時候の挨拶が後

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    owngoaler 2013/03/24
    「要約を行う場合には、「今までに会ったこともない、お互い見知らぬ誰かに対して、今自分が抱えている問題を一言で伝え、協力させるためにはどう話すべきか」を考えるとうまくいく。」
  • 人格否定の使いかた - レジデント初期研修用資料

    今日アルバイトの面接に行ってきた という記事の感想。 リンク先冒頭、アルバイトの面接に出向いた作者の人は、面接担当の人から 「なんでもっと頑張らないんだ!?こんな貴重な体験をしてきたのに、もっと能動的に動かないともったいないぞ!」と叱られ、否定され、その割に不思議と、否定を行った面接担当者に親近感を覚えたんだという。 否定の入り口は「取り返しのつかない過去」 面接担当者は冒頭で、まずは作者の話に耳を傾ける。話を十分に聴いてから、「こんなに貴重な経験を積んできたのにそれを生かせないあなたはだめな人間だ」と否定を行使する。 否定というのは強い感情だけれど、初対面の誰かから「お前はだめなやつだ。クズだ」なんて面罵されたところで腹が立つだけで、その人を信頼しようとか、その人の言うことに耳を貸そうという気分にはならない。 否定の感情をぶつけるためには根拠が必要で、根拠は相手の過去にある。否定の対象と

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    owngoaler 2013/03/13
  • 団体競技としての刑事尋問 - レジデント初期研修用資料

    冤罪を扱ったを読んで思ったこと。 警察で行われる被疑者の取り調べ、とくに「それが冤罪であった」と断じられた刑事尋問というものは、被疑者と捜査官の戦いというよりも、むしろ「たしかな記憶などどこにもない」ということをルールの前提にした、一種の団体戦であるように思えた。 空白の時間は大切 トイレでその場を離れた誰かに対して、「さっき君がトイレに立った時に聞いたんだけれど、みんなずいぶん君のことを嫌っているみたいだね」とささやいてみせても、嫌なことを聞かされたその人には、ささやきの真実性を検証できない。「君のことを嫌っている」と断じられた誰かに問いただしたところで、その人の言葉が真実かどうかもわからないし、もちろんささやいた人間が嘘をついているのかどうかも証明できない。 検証できない時間の空白に猜疑心を植え、それを踏み台に人間関係の分断を試みるのが、誰かの信念を書き換えるときの基的なやりかたで

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    owngoaler 2013/03/12
  • トラブル対策としての選択枝 - レジデント初期研修用資料

    埼玉県で救急搬送を36回断られた男性が亡くなった という記事を読んで思ったこと。 受け入れ閾値は変化する 離島の病院にはNo がない。呼吸不全の搬入要請が2件、病棟に残った人工呼吸器はあと1台という状況であっても、離島の病院が病院がそこしかないのならば、施設には患者さんを引き受ける選択肢しか残っていない。 たとえば救急外来を回している施設が隣りあって2件あり、片方は一人当直の小さな外来を、もう片方では専門医をそろえた高次救急外来をそれぞれ開いていたとして、そうした状況に、たとえば交通事故で多発外傷を生じた患者さんの搬入要請があれば、小さな施設は搬入を断ることになる。病気にはベストを尽くす必要があり、重たい疾患にはそれなりの設備と人員を用意する必要があって、隣にそれを用意できる施設があるのなら、そちらを紹介するのがベストにより近いだろうから。 ある重症度を持った患者さんがいて、果たして自分の

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    owngoaler 2013/03/08
    「「怒鳴ればもっといいものが出てくる」という期待があるから怒鳴られる。「もっといいもの」に値札を付けて、それをいつでも利用可能な状態で用意しておくことで、怒鳴られる可能性は減る。」
  • 概算について - レジデント初期研修用資料

    小学校ぐらいの大昔、父親からときどき、「あの場所までは何メートルだ? 」とか、「あの建物は、重さで言ったら何トンぐらいあると思う? 」なんて質問された。 実家では年に数回、自動車方面の研究者がたくさん集まる機会があって、研究者の人たちはお酒を飲みながら、やっぱり「そこにないものの長さや重さ」について会話をかわして、誰もがみんな、だいたい似たような数字に到達していた。 父親は昔から概算が得意で、研究者にはそうした能力が必要なんだと教わったのだけれど、自分は当時、ついにそのからくりが分からなかった。 想像のものさしについて 概算している研究者を眺めていた子供の昔、「この人達は何か特殊な能力を持っていて、自分にはそれがないんだろう」と思っていたのだけれど、今思えばたぶん、たとえば「あの場所までの距離」ならば電柱の長さを比較すれば距離が概算できたり、重さだったら自動車の重量なりコンクリート密度なり

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    owngoaler 2013/03/03
    「熱意とか道徳、正義みたいに測定不可能な価値を押し出してくる人と対峙するのに、概算できることには大きな意味がある。それが専門家の役割なのだと思う。 」
  • 大きな話ができる人 - レジデント初期研修用資料

    少ないリソースをやりくりできる能力と、たくさんの人数や、大きな予算をその大きさなりに使ってみせる能力とでは、求められるものがずいぶん違う。 小さなタスクを正確にこなせる人が増えた一方で、世の中からはたぶん、大きな話を大きく論じられる人が減った。 大きさが変わると道具も変わる 同じ「切る」道具であっても、手術用のメス刃とチェーンソーとでは異なって、「丸太を切る」という問題があった時に、「大きなメス刃」は解答としてふさわしくない。大きな問題を論じるためには「大きな言葉」が必要で、大きな言葉はたぶん、小さな言葉の延長線上には存在しないのだろうと思う。 新人だったころの田中角栄は、選挙の第一声として、「みなさん、あの山を削っちゃいましょう。余った土は海に入れて佐渡ヶ島とつなぎましょう。山がなくなれば雪は全部関東の方にいく。新潟の耕作可能免責は飛躍的にひろがる」とマイクでがなった。 「大きな言葉」で

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    owngoaler 2013/02/26
  • 信頼地形の使いかた - レジデント初期研修用資料

    信頼されている人は、誰かに背中を任されることが多くなる。同時にたぶん、誰かの背中に回りこむのに成功すれば、結果としてその人から信頼を獲得できる。 信頼という感情と、誰かの背中という地形とは等しい価値を持つ。誰かから信頼されようと思ったら、内面の道徳を磨くことよりもむしろ、その人の背中を奪う方法を考えたほうが早いのだろうと思う。 背中は信頼の基礎 たとえば「返す当てはないが金を貸してくれ」というお願いを、机を挟んで向かい合った相手から切りだされても、たいていは断られてしまう。机を挟んだ相手なら跳びかかったり殴ったりするのは難しいだろうし、相手の振る舞いは机を挟んですべて見えるから、無理な依頼を受けたその人は、何があっても自分で対処ができてしまう。状況を自分でコントロールできる状況においては、依頼の内容は文言どおりに検討されて、信頼できない以来は断れる。 同じ無理なお願いを、後ろに回った相手が

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    owngoaler 2013/02/18
  • コントロールについて - レジデント初期研修用資料

    問題に対して提案できるプランがあれば、状況はコントロールできる。 問題に対して上司と部下とのチームがあって、どうすればいいのか、正解に到達するためには何が不足しているのか、上司も部下もそうした問いに答えを持っていないのならば、経験年次を無駄に費やしてしまったぶんだけ、上司の方が問題に対してより無能であるといえる。 誰だって自分の無能を認めるのは嫌だから、アイデアの不在は暴言や暴力で穴埋めされて、結果としてチームからはコントロールが失われてしまう。 経験の意識化と体系化 不明の状況に対して説得力のあるプランを提案するのに必要なのは、経験の意識化と体系化なのだと思う。 経験を体系化して持っている人は、不明の状況に対峙してもなお、自分の能力でコントロールできる部分を、不明から切り出せる。問題の大きさは切り出した分だけ小さくなるから、解決はそれだけ近づいてくる。経験の体系化が不十分だと、未知はま

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    owngoaler 2013/02/06
    「経験を体系化して持っている人は、不明の状況に対峙してもなお、自分の能力でコントロールできる部分を、不明から切り出せる。問題の大きさは切り出した分だけ小さくなるから、解決はそれだけ近づいてくる。」
  • JASRAC の謝罪文について - レジデント初期研修用資料

    音楽著作権協会(JASRAC)が最近出した謝罪の告知 は、組織へのダメージを最少にするという意味において、上手な謝罪のお手に思えた。 以下引用。 雅楽演奏者へのお問い合わせについて. 昨日よりJASRACが雅楽演奏者の方へ著作物使用料の支払いを求めたなど、SNS等での書き込みや報道などがなされていることについて、ご説明いたします。. JASRACでは、全国各地で行われる演奏会などの催物において、JASRACの管理楽曲(以下「管理楽曲」という。)を利用される場合には、催物の主催者の方から手続きのお申込みをいただいた上で、 著作物使用料のお支払いをいただいております。管理楽曲の利用を確認せずに、著作物使用料のお支払いを求めることはございません。. 管理楽曲の利用が定かでない演奏会等の場合、主催者の方に電話や書面等でご連絡をし、管理楽曲のご利用の有無を確認させていただくことがあり、著作権消

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    owngoaler 2012/12/16
    「状況説明と謝罪はセットで行う」「防止できないものを「防止します」と言わない」「謝罪の範囲を限定する」「謝罪は個人的に行う」
  • 危機対応覚え書き - レジデント初期研修用資料

    ファーストサーバーの事故対応や、そのユーザーである「前代未聞空前絶後の無限地獄に叩きこまれた」「阿鼻叫喚のハンバーガーヒルを駆け抜けたサーバ管理者」の方々の、いろんなつぶやきを読んで考えたこと。 口をひとつに 危機対応を行う際には、判断に専念するリーダー役と、発表やコミュニケーションに専念するネゴシエーターと、できれば別々に、それぞれ専属の誰かを置いたほうがいい。 危機の当初は情報が錯綜するし、危機に対応する側も、あるいはその危機から被害を被った側も、様々な「当事者」が情報を発信する。危機に対応する側は、恐ろしく忙しいことになっているにせよ、この情報を放置してしまうと、2ちゃんねるあたりに「現場の声」が匿名で掲載され、ニュースになって収拾がつかなくなってしまう。 佐々淳行のでは、危機対応のリーダーを決定したら、「まずは緘口令をしけ」と説く。記者の人たちが何を聞いても、「命令」がそこにあれ

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    owngoaler 2012/07/04
  • 「ちゃんと」できる人なんていない - レジデント初期研修用資料

    あってはならない「確実に」という作業指示 – プリウスに見るゴムホースの「組み付け基準」 という記事が興味深かった。 「適切」は難しい 「適切に」判断したり、「正しく」組み付けたりすることは、特にそれが100% に近い再現を求められた場合には、とんでもなく難しい。 詳細なマニュアルを作成して、現場にそれを徹底したところで、大きく「適切に判断を行う」と書かれた項目が残っていたら、かならず誰かが間違える。 「適切」な判断や「正しい」組み付けを現場に実現しようと思ったら、マニュアルから「適切」や「正しく」といった言葉を追放すればいい。便利な言葉が禁止されれば不便になって、マニュアルを書く人は頭を抱える。抱えた頭で手順を見直すと、「正しく」やらなくても正しい結果にしかなりようがない、来そうあるべき手順が見つかる。 困っている人は「正しく」やらない 最近部屋を整理していたら、棚の奥から研修医時代

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    owngoaler 2012/05/14
    「安全と道徳とは、どうしても衝突が避けられない。安全を徹底しようと思ったら、まずは「人間はちゃんとやれない。事故が起きるような状況においては特に」というところから始めないと難しい。」
  • 「ない」ことと「必要ない」こと - レジデント初期研修用資料

    単なる自由には意味がない 自由というものは、不自由が作り込まれてはじめて意味を持つ。 飛べるようになった人間は、飛べない人間に比べればたしかに自由かもしれないけれど、「行く手を阻む壁」や「飛び越えられない谷」が存在しない現代社会なら、鳥人だってたぶん、電車に乗って移動する。「できる」だけでは足りなくて、それが切実な機能として要請されて、世界はようやく書き換わる。 あるべきものがない状態は不自由を産んで、それがどれだけきれいな機械であっても、ユーザーはどこかで妥協を感覚してしまう。 ボタンのない機械は不便 最近のタブレット端末にはボタンがついていない機種が多くて、ボタンだらけの携帯電話に比べれば、タブレットの佇まいはたしかにきれいなのだけれど、使っているとやっぱり、たまにボタンがほしくなる。単なる「ない」を「必要ない」に変えるためには、機械の側に、「それがいらない」機能を作り込む必要があって

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    owngoaler 2012/03/22
    「単なる「ない」を「必要ない」に変えるためには、機械の側に、「それがいらない」機能を作り込む必要があって、今のタブレット端末は、まだまだ「不自由なボタン」から自由になっていないような気がする。」
  • 惰力と能力 - レジデント初期研修用資料

    Recent Entries 惰力と能力 中心は黒がいい 偏見を獲得すること 人と機械との関係 対等な関係は難しい 陰謀論と理解 顔の見える距離について 何を「やらない」のかを考える 丈夫なシステムについて 聞く仕事のこと Recent Comments 中心は黒がいい 01/06 to 01/05 通りすがり 01/01 Luddite 12/30 night24owl 偏見を獲得すること 12/29 medtoolz 12/29 エリヤフ先生 12/24 noproblemdude 人と機械との関係 12/14 まめ 12/14 Anonymous 12/10 しらせひびき Recent Trackbacks Amazonのレビューについて 08/10 [夕刊] アップルが世界一の企業に。 08/07 いつか世界に仇なす 少しだけいいものが選べない 07/28 ず's » 機械翻訳..

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    owngoaler 2012/01/13
    「まわりがなんとなく勉強していて、勉強している連中もまた、なんとなく勉強していた。そうした「なんとなくの連鎖」が進学校の強み」
  • 熱心な人は恐ろしい - レジデント初期研修用資料

    それが敵であっても味方であっても、正義や熱意で動く人というのは恐ろしい。 損得勘定で動く人なら、立ち位置が異なっても会話はできるし、お互いの行動はある程度読めるけれど、正義や熱意で動く人はまず真っ先に損得勘定を除外するから、何が出てくるのか分からない。 有能な敵は頼りになる 「有能な敵」は、状況によっては味方よりも頼りになる。「無能な味方」は、もしかしたら真っ先に背中を刺しに来る。 嗄幼くてはいけない相手だからこそ、抜け目のない敵は相手をよく観察している。観察した相手だからこそ話は通じて、立場は異なっても、ゆがみのない会話ができる。味方を自認する人は、味方であることにしばしば安住してしまう。観察を怠った人は、「あいつならたぶんこうだろう」という予測が外れると怒り出す。味方であったはずなのに。 当直時間帯における頼るべき「有能な敵」は、「見逃すと翌朝までに患者さんが亡くなりうる疾患」のリスト

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    owngoaler 2011/09/23
    「うまく回っているときには、そもそも「頑張って」という感覚は浮かばない。頑張るという状態は、すでにして平時でない状況で、そこで浮かんだ道徳の声は、たいていの場合間違っている。」
  • 砂場としての2ちゃんねる - レジデント初期研修用資料

    ネットは年々厳しくなっていくように思える。 ルールは昔を引き継ぐものだから、昔からいる人たちはすでにルールを知っていて、ルールはますます複雑に、あとから入ってきた人には分かりにくいものになった。ネットワークでできることはずいぶん増えて、ネットのうわさ話がニュースに取り上げられる機会も増したけれど、結果としてこれは、「やってはいけないこと」をやってしまった人が負うべきペナルティを、ずいぶん重たいものにしてしまった。 取り返しのつかない状況に陥るまでの時間も短くなった。HTML の昔なら、記事を書いて検索エンジンに取り上げられるのに1週間ぐらいかかったけれど、blog の記事をネットに上げると、5分もすれば Google の検索に引っかかる。Twitter はもっと速くて、書いて1分もすると、もう検索サイトにログが残って、そうなるともう、自分では記事をコントロールすることができなくなってしまう

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    owngoaler 2011/07/23
    「そういう意味で、初心者に一番優しい2ちゃんねるが怖いところだと喧伝されて、本来はおっかないmixi やFaceBook が、明るく楽しい場所みたいに紹介されるのは何か違う気がする。」
  • 悪い知識は大切 - レジデント初期研修用資料

    道徳は大切だけれど、道徳的な人間を生み出そうと思ったときに、道徳だけを教えたのでは片手落ちなのだと思う。道徳というものは、不道徳な「悪い知識」を土台にすることで、初めて堅固な力を持てる。 道徳の効用 理念や道徳というものは、「手続きに従えば簡単に扱える人間」を作る手段として役に立つ。 道徳を、道徳単体として「正しいものだ」と習った人は、道徳的に基づいて何かを促されると逆らえないし、よしんば法律に違反するようなことを命じられても、それが「道徳的なのだ」と強弁されると、高い可能性でそれに従ってくれる。 他人を陥れる方法や、欺瞞を運用して誰かに特定の振る舞いを強要する方法を教わった人は、人を操作するための手続きを見破ることができる。こういう知識を持った人は、運用された道徳から自由でいられて、結果としてたぶん、道徳や理念はどういうものが好ましいのか、自分の頭で考えられる。 どちらの人間がより好まし

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    owngoaler 2011/07/06
    「深く学んでいく上では悪い知識が欠かせないのが技術であって、「いい使いかたを一生懸命学びました。私は善です」という人は、だからまだ学んでいないのだろうと思う。」
  • 堅牢さについて - レジデント初期研修用資料

    セキュアなシステムというものは、どこかに歴史を内包している。それぞれの階層は、それぞれの時代で使われた技術で作られていて、技術は階層をまたがないようになっている 乗用車のパワーステアリングは古典的なギア機構だけれど、アシスト貴構は、それを包み込むような構造になっていて、精緻な制御と堅牢さとが同居している。フライバイワイアのシステムは、そのあたりどこか、過去を切り捨てた怖さがある。高性能を目指したシステムと、堅牢さを目指したシステムと、おそらく両立は難しいのだと思う 東京都消防のPCが落ちた際、消防署の職員はビルの屋上に上がって火の監視を行った。現代の通報システムがダウンしたときに役立ったのは、江戸時代の火の見櫓のシステムだった 米軍のミレミアムチャレンジにおいて、敵役を任命された将軍は、「開戦当初に米軍は敵の通信設備を破壊した」という設定に対抗して、サーチライトと手旗による通信を駆使した結

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    owngoaler 2011/05/22
    「歴史を内包したシステムを「改良」する際には注意を払う必要がある」「そのときに使えた技術にはどんなものがあったのか、使える道具や技術にも、あえて制限を加えないと、堅牢さが損なわれてしまう可能性がある」
  • 乱暴な言葉の使いかた - レジデント初期研修用資料

    状況に火がつくと、たいていの人は足がすくんで立ち止まる。不明の状況にあって、動くことを決断するのは大変で、止まるとたいてい、状況はもっと悪くなる。 最初に動いて、乱暴な言葉で大声を張り上げて、背中を押せる人が、だから必然的にリーダーになる。 「怒鳴りかた」にも文法があって、単に大声を出せる人と、大声で指示を出せる人とは異なってくる。 人望のあるイワシはいない イワシの群れのどこかにも「頭」に相当する個体がいる。「リーダーイワシ」は、人望があるとか、他の個体より頭がいいとか、リーダーシップにつながる何かを持っているわけではなくて、単に「一番最初に舵を切った」ということが、その個体を暫定的なリーダーに押し上げている。群れの生き死にがかかっている状況にあって、まわりの情報を把握できている個体がいないのならば、最初の判断を行った個体に、群れはそのままついていく。 選択枝を明らかにした上でお互いの落

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    owngoaler 2011/05/08
    「乱暴な言葉には、相手の思考を遮る効果がある。遮るのだからこそ、指示は具体的でないといけないし、言葉を受けたその人が、自分の管理下で実行できるものでないといけない。」
  • 共通言語としての損得勘定 - レジデント初期研修用資料

    誰かと共同作業をするときには、最初の入り口として「私は損得勘定という言語で会話が可能な人間です」という挨拶が欠かせない。 損得勘定は、その価値こそ低いかもしれないけれど、それを理解できる人は最も多い。誰かと協力して行く中で、「良さ」とか「正義」とか、もっと価値の高い絆で共同作業をしようと思ったならば、まずはお互いに理解が容易な言葉で会話できることが大切になってくる。 持ち込みの昔 を出したかったのだけれど、どうしていいのか分からなかったから、出版社に原稿を持ち込んだ。 持ち込みというものを行って、最初にびっくりしたことはといえば、「その原稿が売れる根拠を、まずは作者が示してみせないといけない」という部分だった。それが商業出版である以上当たり前のことではあったのだけれど、お花畑だった昔は、「いいものを書けば分かってくれる」なんて勝手に思い込んでいた。 「皮算用でかまいませんから」と、出版社

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    owngoaler 2011/04/29
    「ボランティアはたしかに「無償」であるかもしれないけれど、違う言葉でしゃべる人を説得するためのコストは、もしかしたら有償で誰かを雇うコストを上回る。」
  • 悪い奴らは来なかった - レジデント初期研修用資料

    病棟で3年過ごした昔、上司の書いた処方箋を見て、「こうすればもっといいのに」なんて批評家気取りができるようになった頃、島に飛ばされた。邪魔な上司の指示が入らない、「こうすれば」を自分の責任で行える機会がいよいよ巡ってきて、それをやろうとして、手が動かなかった。 決断のお話。 実戦は怖い 島への派遣が決まったとき、粋がって英語ばかり持ち込んだ。世界的に権威のある教科書だから、信頼性なら完璧なのに、いざそれを使おうとして、それを翻訳するのが自分であることに思い至って、そのがいきなり信用できないものに変わった。普段は馬鹿にして、ろくに読みもしなかった日語の「今日の治療指針」がありがたくて、それに頼ってようやく病棟を回すことができた。 畳の「へり」なら転ばず歩けるのに、それが地上10m の高さに置かれたそのとたん、足がすくんで動けなくなる。模範解答を知っていることと、実際に決断ができること

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    owngoaler 2011/04/26
    「畳の「へり」なら転ばず歩けるのに、それが地上10m の高さに置かれたそのとたん、足がすくんで動けなくなる。」