(2010年12月8日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ユーロ圏は現在の形で存続できるのだろうか? その答えを得るには、もっと細かい3つの問題について考察する必要がある。第1に、ソブリン債のデフォルト(債務不履行)の波が押し寄せる可能性はどのくらいあるのか? 第2に、ユーロ圏は、そうした事態を回避するのに必要な変革を実施するか? そして第3に、デフォルトの波が起きたとして、ユーロ圏はそれを乗り切れるのか? 筆者の答えは最初から順番に、「可能性は高い」「恐らく実施しない」「多分・・・ただし確信はない」というものだ。 新興国ではお馴染みの危機 これまでに起きてきた事態は、新興国の専門家にはお馴染みのものだ。つまり「急停止」である。2007年までは、緩やかな条件で融資を受けることができ、建設にも消費にも、民間部門にも公的部門にも資金が流れ、資産価格バブルが起きた。 そして突然、市場が酔いからさ